初日に怒られちゃった 田面汚名返上3人斬り

[ 2015年11月4日 05:30 ]

1回を三者凡退に斬る汚名返上の好投を見せた田面

阪神紅白戦

(11月3日)
 汚名返上の快投だ。阪神投手陣では唯一の育成枠、田面が紅組の3番手で登板して1回無失点に抑えて金本監督の前で猛アピールに成功した。

 「(紅白戦は)急でしたけど、いろいろ考えて打者に向かってしっかり投げることはできた。ブルペンでやっていることも一緒に出せたと思う」

 背番号116が安芸のマウンドで躍動した。先頭の森越を二邪飛に仕留めると、今成にはカーブ、フォークと変化球を続けて三ゴロ。最後は江越を得意としている外角へのスライダーで空振り三振に斬り、わずか10球で3個のアウトを奪った。どっしりとした下半身から繰り出される直球にタイミングを外す変化球との緩急がさえ、痛打を浴びる気配は皆無だった。

 キャンプ中の実戦とはいえ、懸ける思いは誰よりも強かった。キャンプ初日の走塁・盗塁練習中に一塁へけん制をした後、コーチからの注意に返事をせず、金本監督から叱責されていた。あいさつ徹底などの訓示を受けた直後だっただけに印象は悪かった。

(強烈インパク投/) 新監督から怒号を浴びた“第一号”の汚名を晴らす機会が2日後に到来。強い思いを白球に込めて懸命に腕を振った姿は監督の心を揺さぶった。

 「彼も僕が注目している投手の一人なんだけど、育成になっちゃったんだよねえ。でも、育成には見えない。ブルペンで3回くらい見たけど、もう少し直球のコントロール、力が出て来たら、1イニングは完璧に抑えてくれそうなイメージはある」

 1軍の戦力になり得るだけのインパクトを残し、一度は“泣いた”若虎に笑顔が広がった。目標に掲げる支配下登録へ大きく前進した一日だった。

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2015年11月4日のニュース