若虎震えた…金本監督 ブルペンで自ら打席に 制球乱す場面も

[ 2015年11月3日 07:10 ]

ブルペンで投げ込む歳内のボールを打席から見つめる金本監督

 鉄人の“圧迫ブルペン”に若虎たちが震え上がった。その瞬間、ブルペン内の緊張感は一気に高まった。阪神・金本監督が、初めて若手の投球練習中に打席に立った。

 「二神はきょうでブルペンは見るの3回目かな。2回良かったから、どこまで続いてるのかなと。あの良いボールがね。きょうも来ていた」

 まずはうなり声を上げながら熱投していた二神に「あと何球投げる?」と確認すると、左打席に入った。ノックバットながら、打席の内側へにじり寄り、現役時代を彷彿とさせる構えで鋭い視線をマウンドへ向けた。

 稀代のスラッガーの放つオーラに圧倒されたのか2球目が大きく外角へ外れると指揮官は「オイ!」と叫び、4球目もボールとなると「フォアボール!」と制球ミスを指摘。それでも、6球目は「ナイスボール」と称賛され、結局8球で“対決”は終了。二神は「僕は現役時代も知っているので、選手時代のイメージが強かった」と緊張の登板を振り返った。

 休む間もなく、次は若きセットアッパー候補として期待される歳内のもとへ。二神同様にカウントを取り、6球目のフォークを見逃して「フォアボール!その前のインコースはホームラン!」と架空のアーチも放った。

 第2打席も四球となると、第3打席には「(直球が)ド甘!」、「(フォークは)振らない」と厳しい言葉を投げかけた。最後はフルカウント設定にして“代打”片山ブルペン捕手と交代し後ろで見守り、文句なしのストライクボールに「これはナイスボール」と大きくうなずいた。

 「歳内も打倒・福原、安藤で燃えとるらしいから。本気のバッター目線で見てやろうと。2人に引退祝いを持っていけるように頑張れよ、と。ちゃんと自分でお祝い袋を用意して(笑い)」

 大きな期待をかけられた証と言えるガチンコ勝負に、歳内も「打ってないですけど怖い。安藤さん、福原さんのポジションをできるように」と表情を引き締めた。

 制球の定まらない場面もあったことに金本監督は「試合はもっとプレッシャーがかかる。俺が立つより、試合で(ヤクルト)山田とか(巨人)阿部とか立つ方が、満塁で、そっちの方が緊張する」と話した。鉄人との真剣勝負が若き右腕2人の覚せいを呼び起こすかもしれない。 (遠藤 礼)

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2015年11月3日のニュース