由伸監督 秋季キャンプに“原石”7人抜てき FA市場参戦見送り鍛える

[ 2015年11月2日 06:30 ]

自らボール拾いをする高橋監督

 巨人は1日、宮崎県総合運動公園内で行う秋季キャンプ(7~20日)の参加メンバーを発表した。全29選手の中には、育成選手の田原啓吾投手(21)ら今季1軍出場のなかった選手が7人もメンバー入り。高橋由伸新監督(40)はチーム力の底上げを目指し、「光る原石」を発掘する。リーグ優勝を逃し、4年ぶりに行う秋季キャンプ。12球団で最年少の指揮官がV奪回に向け、実りの秋にする。

 フレッシュな監督らしい、新鮮な人選だった。リーグ優勝を逃し、4年ぶりに行う秋季キャンプ。高橋新監督は参加する29選手のうち今季1軍に出場しなかった選手を7人も選んだ。厳しい言葉の中に期待を込めた。

 「1軍でやっている選手と同じレベルかというと、そうではない。とにかく、力をつけてレギュラー争いしてほしい」

 投手陣では秋季練習でブルペン投球を視察した3年目左腕の公文に、2年目右腕で1軍経験のない平良。さらに育成の3年目左腕・田原啓を抜てきした。野手陣でも将来の4番候補・岡本はもちろん、同じ右の和製大砲候補・和田も名を連ね、新指揮官は「技術もそうですし、体力もつけてほしい」と注文した。

 V奪回へ向け、埋もれた才能を探し出す。就任会見で「しっかり選手を見て、新しいジャイアンツをつくらないといけない」と誓ったが、まずは秋季キャンプで若手の実力を見極める。好例もある。今季、リードオフマンに定着した立岡だ。主力の故障者が続出した中で原前監督が抜てきし、立岡も期待に応えた。もともと走攻守そろった選手ではあったが、選手層の厚さから出場機会が巡ってこなかった。

 新指揮官が就任したことで、これまで以上にフラットな目線でレギュラー争いを行わせ、チームを活性化させる。すでに実行にも移している。10月27日の秋季練習第2クールから始動した高橋体制下では、初日から1、2軍合同のシートノックを取り入れた。ロングティーでも坂本や亀井ら主力選手と中井や岡本を一緒に組ませることで、刺激を与えている。

 秋季キャンプのメニューについて、高橋監督は「あすから話していく」としたが、「そうなると思います」と厳しい練習を予告した。練習の最後には必ず走り込みを行い、キャンプ終盤には実戦形式の練習を行う方針。若手のアピールを期待する一方で、高橋監督は今季不振に終わった内海、長野らが参加することに「(自分を)見つめ直す時間にもなると思うし、若い子を引っ張っていってほしい」と訴えた。

 ここ数年とは違い、今オフはFA市場への参戦を見送る方針。3軍も新設し、自前の選手を育成する。その第一歩が発掘作業。秋の宮崎で探し当てる。 (川手 達矢)

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2015年11月2日のニュース