金本監督 初カミナリ!コーチ注文“スルー”田面に「返事!」

[ 2015年11月2日 05:30 ]

練習中に大声を出す金本監督

 阪神・金本知憲監督(47)が1日、「厳しく」キャンプインした。高知県安芸市の安芸市営球場で秋季キャンプ初日を迎え、午前の走塁練習中にコーチの注意に返事をしなかった田面を一喝するなど随所で選手を叱咤(しった)。就任時にモットーに掲げた「明るく、厳しく」のうち、まずは「厳しく」の姿勢を前面に押し出し、監督として臨んだ注目の初キャンプ1日目を終えた。

 安芸市営球場のグラウンド内に金本監督の一喝が響きわたった。「返事!」。瞬間的に空気が引き締まった。厳しい注意を向けた相手は3年目の育成枠投手の田面だ。当人だけでなく全選手に緊張が走る怒声だった。

 「いきなり田面が返事が無かったから、怒ったんだけど。(練習前に)言った、すぐ後に返事が無いとはどういうことだと。言った1時間後にそんなことになるんやで。『返事、あいさつは大きな声で』とか、小学生じゃないんやから」

 午前10時45分から始まった走塁・盗塁練習の最中だった。田面は一塁にけん制球を投げた後、コーチから注意を受けた。だが、それに対して返事がない。この態度に、鋭く厳しく反応した。

 立腹には明確な理由がある。練習開始前に選手全員を外野芝生上に集めて「返事はしっかりとするように!」と訓示したばかりだった。それから1時間も経っていないのに、返事が無かった。だから声を荒らげたわけだ。「当たり前のこととしてコーチに呼ばれたり注意されたら、ちゃんと返事しないと」。練習後には若干、あきれた口調で振り返った。

 「(スイングが)弱ったら怒っているからね。『俺が打つよ』って」

 打撃練習中も選手に緊張感を切らす隙を与えなかった。打撃ケージ横から打者陣に精力的な指導を実施。個々のスイング強度にまで目を光らせ、手を抜かせなかった。この姿勢こそ就任時にモットーとして掲げた「明るく、厳しく」の「厳しく」に他ならない。存在感と言動で張り詰めた空気を作りだした。

 「長いですね。自分もこんな練習をしていたのかな、と思って。僕の方が疲れています」

 午前10時から午後5時過ぎの練習終了まで7時間超。みっちりと汗を流させた。午前中の走塁練習では捕手の本塁ブロック禁止のルール改正を見据え、三本間の走路を三塁線外側に設定。着々と来季へ向けた準備も進めた。

 17日まで続く秋季キャンプの課題を問われて言い切った。「全部です。全部強化したいし、全部意識を変えていきたい。打撃練習の意識も変えていきます。変えないと勝てないことが分かったので」。初日を終えて決意を新たにした。「疲れています」と言いながら練習終了後には自らウエートトレーニングに励むなどスタミナは無尽蔵。猛虎変革へ「厳しく」第一歩を踏み出した。(惟任 貴信)

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