09年ドラフトは雄星に6球団が競合 他球団も豊作

[ 2015年10月21日 14:15 ]

09年ドラフトで6球団から指名を受けた菊池

 花巻東の超高校級左腕・菊池雄星に6球団が競合し、西武・渡辺久信監督(当時)が引き当てた2009年のドラフト会議。特別協賛として東芝がスポンサーとなり、一般公募でファンが観覧するなど、それまでよりもショーアップされたものに変わった。

 そんな2009年のドラフト会議から6年が経つ。果たしてあの時の各球団の下した選択は正しかったのか検証してみたい。

◎ドラフト1位は高卒組の活躍が目立つ

 2009年の12球団ドラフト1位を改めて見てみると、高卒組の活躍が目立っている。

 横浜1位の筒香嘉智は、プロ5年目の昨年、打率3割、22本塁打、77打点の成績で一気にブレイクすると、今季は開幕から4番に座り、打率.317、24本塁打、93打点と、自己最高の成績を残し、チームの顔にまで成長した。

 また、ソフトバンク1位の今宮健太は、高い身体能力を生かした守備でレギュラーに定着。打ってはつなぎ役として強打者揃いのソフトバンクで貴重な役割を果たしている。2年連続でゴールデングラブ賞を受賞し、リーグを代表する遊撃手と言っても過言ではない。

 他にも、今年は50試合に登板し、中継ぎ陣の一角を担った中日1位の岡田俊哉。2011年から3年連続で50試合以上登板を果たした広島1位の今村猛。今年は惜しくも自身初の2ケタ勝利に届かなかった西武1位の菊地雄星と、各球団で主力、または主力に近い働きを見せている。

 また、ドラフト2位では楽天2位の西田哲朗が、昨年131試合に出場し、松井稼頭央に変わって遊撃手のレギュラーに。今季は精彩を欠いたが、今後が楽しみな存在だ。

 大学生・社会人のドラフト1位の多くが伸び悩む中、その実力を発揮しているのは巨人1位の長野久義。首位打者1回、最多安打1回とタイトルも獲得し、巨人には欠かせない選手となっている。

◎ロッテは少数精鋭でドラフト戦略は成功!?

 各球団別で見ると、ロッテは指名選手が4人(育成指名除く)と少なかった。しかし、全選手が戦力となっているのは特筆すべき点だろう。

 1位の荻野貴司は、ルーキーイヤーの2010年に25盗塁をマーク。5月にケガでシーズンを棒に振ったが多くの野球ファンにその快足ぶりを印象付けた。その後、ケガが相次いだものの、今年は後半戦で1番に固定され、輝きを取り戻している。

 そして、4位の清田育宏は今年急成長を遂げた。1年目には日本シリーズで優秀選手賞を受賞する活躍を見せたものの、その後は低迷していった。しかし、今年は23試合連続安打を記録しただけでなく、本塁打数も盗塁数も2ケタに乗せた。1番、3番など上位打線に定着して、年間を通じて活躍、殻を破った。

 2位の大谷智久は守護神・西野勇士へとつなぐ絶対的なセットアッパーとして活躍。3位の大嶺翔太は昨年初めて1軍出場を果たし2本塁打。今年は、兄・祐太と一緒にヒーローインタビューを受けた試合もあった。復活を遂げた兄には負けられない。

 一方、活躍している選手が少ないのはソフトバンク。5人の選手を指名し、1位の今宮を除いた4選手がチームを去っている。ファーム選手権で勝利し、一足早く日本一になった2軍は活気があり、1軍にどんどん“若鷹”が送り込まれていくイメージがあるが、この年は残念ながら期待が外れてしまったようだ。

 また、下位指名から活躍した選手を挙げると中日5位の大島洋平、日本ハム5位の増井浩俊。育成ドラフトで見ると横浜育成1位の国吉佑樹がいる。

 この顔ぶれを見ても、2009年のドラフトは豊作だったといえるのではないだろうか。(『週刊野球太郎』編集部)

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