高橋由、監督就任なら“専任”ミスターからも熱い口説き文句

[ 2015年10月21日 05:30 ]

巨人の監督就任要請を受け高橋由は、鋭いまなざしで取材に応じる

 巨人・高橋由伸外野手兼打撃コーチ(40)は20日、東京都内のホテルで久保博球団社長(66)、堤辰佳ゼネラルマネジャー(50)と会談し、次期監督の就任要請を受けた。現役続行への強い意欲を示している高橋由は、熟慮して返答する意向を示した一方で、要請を受ける際には現役を引退して監督専任で臨む考えを明かした。就任に向けては、長嶋茂雄終身名誉監督(79)から熱いラブコールも送られた。

 監督就任の要請を受けた高橋由は、無数のフラッシュを浴びながら報道陣の取材に応じた。原監督の退任発表翌日の即アタック。「球団の方もいろいろな思いがあってのことなんだろうなと。決して後ろ向きな話ではないというか、大変光栄な話。僕もしっかり自分なりに考えて、一日も早く答えを出したい」と穏やかな表情で話した。

 現役続行への強い思いはある。今季は77試合に出場。特に代打では・395の高打率をマークし、原監督も切り札としてここぞの場面で起用した。来季に向け、ルーキー岡本らを連れての自主トレの準備を進めていた矢先の要請。「まだまだできるのではないかという思いもある。戸惑いというのは感じています」とは本音だ。それでも、いざ監督を引き受ける場合には、決めていることがある。兼任ではなく現役引退して監督一本で勝負することだ。

 「受けるということになるのであれば、僕自身、兼任ということはないのかなとは思います。とても両立は難しい」

 今季は打撃コーチを兼任して両面でチームに貢献した高橋由だが、あくまで軸足は選手。自身の練習に十分な時間を費やすことができたが、監督兼任となると、それは極めて困難になる。球団側との話し合いの中でも「難しいでしょうね」と語ったという。久保社長は来季に目指す巨人の姿を「打ち勝つチーム」とし、その課題の中で「高橋由が最適であると判断した」と要請の理由を明かした。兼任に関しては「ジャイアンツの監督で選手兼任というのは球団としては難しい」と、同じ考えを持っている。

 話し合いは午後3時50分から約50分間。久保社長は最大限の誠意として「長嶋さんから太鼓判を頂いた」と、入団時の指揮官でもある長嶋終身名誉監督のメッセージを伝えた。「高橋君しかいない。自分は39歳に監督になった。今の高橋由伸君は40歳。今のチームはやっぱり若い監督が率いて、大きな切り替わりの時期だろう。ファンもそれを望んでいるのではないか」。高橋由自身もこの日の昼に長嶋氏、原監督と電話で話したことを明かし、2人から全面的なサポートを約束された。

 結論を出す上で、一番大事にすることを問われた高橋由は「僕が覚悟を決めるかどうかじゃないですか」と言った。球団側の誠意は、真摯(しんし)に受け止めている。「それが選手としてなのか、監督としてなのかは分かりませんけれども、どちらの形になってもファンの皆さんの期待には応えたいと思います」。現役続行か、監督就任か。考え抜いて選択する。(大林 幹雄)

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