大谷、初のバッテリー賞!“愛妻”大野に感謝「特別なうれしさ」

[ 2015年10月21日 05:30 ]

練習中、笑顔を見せる大谷

 スポーツニッポン新聞社が制定する「2015年度プロ野球最優秀バッテリー賞」の選考委員会が20日、都内で開かれた。パ・リーグは日本ハムの大谷翔平投手(21)―大野奨太捕手(28)、セ・リーグはヤクルトの石川雅規投手(35)―中村悠平捕手(25)がそれぞれ初受賞した。今季最多勝、最高勝率、最優秀防御率のリーグ3冠に輝いた大谷は、来季は自身未体験の優勝に貢献する活躍を誓った。表彰式は12月上旬に予定され、各選手には賞金100万円が贈られる。

 素直な気持ちを口にした。投手として著しい飛躍を遂げたプロ3年目。大谷は、捕手・大野と一緒に栄誉を手にしたことに価値を見いだした。

 「投手と捕手の息が合っていないと獲れない賞なので、特別なうれしさがある。僕の力だけでは無理だった」

 今季、自己最多の15勝、防御率2・24、勝率・750で3部門のタイトルを獲得。球界を代表するエースに成長する階段では、大野の支えが大きかった。「今年はフォークを決め球でよく使ったが、それはしっかり守ってもらえるという安心感があったからこそ。引っ掛けた球でも捕手が止めてくれないと、思い切り投げられない」。22試合でリーグワーストの9暴投を記録したが、大野と組んだ13試合ではわずか2。160キロの剛球とフォークで打ち取る「必殺パターン」は、大野に対する絶大な信頼関係のたまものだった。

 ただ、優れた投球成績は、最も欲しい「優勝」には結び付かなかった。「(14年から)3位、2位で終わってる。僕の1年目(13年の6位)から上がってきているけど、その“届かない一つ”を埋めていきたい。来年こそはという思いは強い」。ソフトバンクにぶっちぎりで優勝を許した過程で、大谷自身も8、9月の直接対決で2試合続けて7失点。対戦防御率6・58と、強力打線を抑えられなかった。オーナー報告を終えた栗山監督からも「(今季成績の)15勝5敗、これが最低。貯金10以下はあり得ない。いかにチームを優勝させるかでやっているから」とメッセージが届いた。

 この日、千葉・鎌ケ谷で行われた秋季練習では、CS敗退後、初めてのブルペン投球を敢行した。侍ジャパンの一員として出場する「プレミア12」を11月に控えるため、使ったのは国際球。33球の中、チェンジアップを3球試した。「(決め球の変化球が)全部フォークではしんどくなる」。鋭く切れる球で三振に仕留めるばかりでなく、緩急で打ち取るすべを身に付ける狙いがある。向上心のベクトルが示す先に、アマチュア時代からまだ成し遂げていない日本一がある。 (柳原 直之)

 ▽最優秀バッテリー賞 投手だけでなく、捕手にもスポットを当てて球界最高の「バッテリー」を表彰するもの。第1回は91年で、今年で25回目を迎える。1年間通じて活躍したことを最低条件に、投手は先発なら10勝、救援は30セーブ、または30ホールドを目安とする。捕手はリード面や盗塁阻止率、捕逸の少なさなどを基準に選考される。張本勲氏と有藤通世氏は第1回から選考委員を務める。

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2015年10月21日のニュース