阪神、西岡と来季契約へ ポストシーズン終了後にも残留要請

[ 2015年10月11日 06:38 ]

<巨・神>7回1死一、三塁、西岡は同点の中犠飛を放つ

セ・リーグ クライマックスシリーズ・ファーストステージ第1戦 阪神2-3巨人

(10月10日 東京D)
 阪神が、西岡剛内野手(31)と来季も契約を更新する方針であることが10日、分かった。この日にセ・パともにクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(S)が開幕。巨人との第1戦(東京ドーム)では代打出場し一時は同点となる犠飛を放ち、敗戦の中にあって存在感を示した。今季は右肘内側側副靱帯損傷のため5月下旬に戦線離脱したが、球団は来季は開幕から万全の状態でプレーできると判断。ポストシーズン終了後にも正式に残留を求める構えだ。

 やはり大舞台に強い。2点を追う7回、1点を返し、なおも1死一、三塁。代打起用された西岡は求められた役割を果たした。センターへ犠飛を打ち返し、一打で試合の流れを引き戻した。敗戦の中、キラリと光る存在感を発揮。試合後のコメントも熱を帯びた。

 「先がないのでやるしかない。1球で仕留めることだけを考えていた。今は1打席しか立つことができないが、その限られた状況の中で、チームのために自分ができることをしようと心がけた」

 打席に入る直前には、次打者席から打者・梅野に歩み寄り「楽に行けよ」と声を掛けるリーダーシップも示していた。走攻守3拍子を兼ね備えたプレーだけでなく、姿勢や言葉でもチームを引っ張れる存在は、背番号7をおいて他にいない。

 来季に新体制を迎える猛虎にも、その実力と存在感が必要だ。球団幹部も「もちろん来季も戦力として考えています。三塁手としてはもちろん、二塁手としても。西岡選手と切磋琢磨することで、上本選手もさらに成長できるかもしれませんからね」と話す。球団も既に来季残留を求める方針を固めている。

 12年オフに2年契約で阪神へ加入。契約最終年だった昨季は開幕直後に左肩脱きゅう、左右の肋骨骨折などの重傷を負い出場24試合にとどまった。不本意な1年を過ごしたこともあり、オフには契約満了にも関わらず減俸を受け入れて単年契約を結び、3年目の今季を勝負の年に位置づけた。

 今季は「3番・三塁」で開幕を迎えたが、またもケガに泣いた。5月22日DeNA戦の守備中に右肘に違和感を覚えて途中交代。右肘内側側副靱帯損傷と診断され、長期離脱を余儀なくされた。9月25日広島戦で1軍復帰したが、時すでに遅かった。今季も出場わずか50試合。昨季同様、不本意な1年を過ごした。

 とはいえ、体調さえ万全なら大きな戦力となることは間違いない。まだ31歳。ロッテ時代の10年には打率・346で首位打者を獲得し、阪神1年目の13年も打率・290、4本塁打、44打点と結果を残した。本領を発揮できれば、主軸を張れる実力の持ち主だ。

 阪神は来季も主に三、二塁手として起用する構想を描く。もちろん、ともにレギュラー候補だ。西岡は既に海外フリーエージェント(FA)権を取得済みで国内外の球団と自由に交渉可能。それでも過去2年の成績を考えれば、オファーには「男気」で応えてくれるはず。チームが変革の時を迎えている今こそ、背番号7は欠かせない。

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2015年10月11日のニュース