大谷、ロッテ止める!CS開幕戦先発「初回から飛ばす」

[ 2015年10月10日 05:30 ]

練習中、笑顔で左胸に手を当てる大谷

 プロ野球は10日にセ、パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(3試合制)が開幕し、日本シリーズまで続くポストシーズンが始まる。パはレギュラーシーズン2位の日本ハムが札幌ドームで3位・ロッテと対戦。日本ハムの第1戦先発には大谷翔平投手(21)が発表された。2年連続のCS開幕投手。西武とのし烈な3位争いを制して勢いづく「下克上のロッテ」を相手に、初回から全力投球に出る。

 全体練習後に札幌ドームのプレスルームで行われた共同記者会見。ポストシーズン開幕を控えた独特の緊張感の中、主将を務める宮西が、大谷の意気込みを明かした。

 「“初回から飛ばしていく”と言っていた」

 それは、ロッカールームにできた投手陣同士の輪で、ふとつぶやいた一言だった。取材対応した大谷は「奨太(捕手・大野)さんの構えたところに投げるだけ。最初から最後まで攻め続ければ十分」といつも通りの冷静さを貫いた。3年目で初の開幕投手を務めた半年前と比べて「開幕戦の方が緊張している」とさえ言い、リラックスした表情だった。秘めた胸のうちに、熱く、断固たる決意がこもっていた。

 鍵は立ち上がりだ。15勝、防御率2・24、勝率・750の投手部門3冠に輝いた今季。全22度の登板で、前半3イニングで失点した試合が7度あった。昨年のCSでもファーストS、ファイナルSでの2度の登板で、いずれも2回に失点した。序盤を乗り切ることが勝利への一番の近道。だからこそ、最初から全力投球で「飛ばす」と誓う。レギュラーシーズン最終登板は9月27日のオリックス戦で、中12日を空けた。最速162キロの剛腕を振り切る準備は整った。

 栗山監督もエンジン全開を期す大谷を支えようと、総力戦の構えを見せる。「“高校野球戦法”だね。超短期決戦だから、全員でいくよ」。どの投手にも、ソフトバンクとのファイナルSに進出した場合の先発順は告げていない。新人ながら8勝した有原のブルペン待機も決めた。今季ロッテ戦は4連敗で終え、チームは嫌な印象を残す。ましてやロッテは05年プレーオフ、07年、10年、13年CSのファーストSで突破率100%を誇り、05、10年は日本一に駆け上がった下克上軍団。全身全霊で食い止めるのがエースの任務だ。

 この日はブルペンで30球を投げた。登板翌日の打者待機、中4日での先発起用プランも検討されるが、照準は一点に定まっている。「何とかベストのパフォーマンスをしたい。初戦を取れるように頑張りたい」。飛躍の3年目を、ここで簡単に終わらせるつもりはない。(柳原 直之)

 ▽大谷の昨年のCS オリックスとのファーストSは第1戦に先発し、6回3失点で勝利投手。2回に4連続四死球と乱れたが、援護にも助けられた。第3戦には「5番・DH」で出場するも無安打。ソフトバンクとのファイナルSは第3戦まで3試合連続「5番・DH」で出場。第1戦で緩慢な送球の隙を突く左前二塁打を記録し、第3戦では2安打2得点だった。先発登板した第5戦は7回4失点12奪三振と力投し、延長戦の末の勝利に貢献。敗れて終戦となった第6戦はベンチを外れ欠場した。

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