王が投げ長嶋が打つ!来年1・11名球会紅白戦でON初対決

[ 2015年10月9日 05:30 ]

来年1・11は夢対決祭りだ!名球会初の紅白戦で初対決の可能性が浮上した長嶋氏(左)と王氏

 日本プロ野球名球会は8日、都内のホテルで会見を開き「名球会ベースボールフェスティバル2016」を来年1月11日にヤフオクドームで行うと発表した。同イベントは、野球教室のほか名球会会員によるホームラン競争、紅白戦も行われる。王貞治氏(75)、長嶋茂雄氏(79)の両顧問による初対決の可能性も浮上。巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(41)も参加予定と、レジェンドたちが大集結する。

 山本浩二理事長から夢のイベントが紹介された。午前にソフトボール女子日本代表選手と一体となった少年少女への指導が行われた後、午後からは名球会会員によるホームラン競争。そして、メーンイベントとして、名球会会員による同会初となる紅白戦が行われる。

 「いろんな名勝負があると思います。もちろん長嶋さんにも来ていただく。長嶋さんの性格ですから、打席に立ちたいんじゃないかという気がする。皆さん(報道陣)がこういう勝負を見たいというものを、どうぞおっしゃってください」

 注目は王、長嶋両顧問による「ON対決」だ。会見に出席した王顧問は「プランとしてはどんなことも考えられると思う。長嶋さんの体調も、私の体調もある。体調に見合った形で、現在の最善の形のものをしたい。そういう気持ちで1月11日を長嶋さんも迎えてくれると思う。その時のコンディションで、できる限りのことをしたい」と意欲をのぞかせた。

 監督同士の対決は00年の巨人―ダイエーの日本シリーズがある。ただ、試合の中で投手と打者での真剣勝負はない。王顧問は今夏の甲子園での始球式でストライク投球を見せた。長嶋顧問も13年5月5日の国民栄誉賞授与式で愛弟子の松井氏を相手に、昨年7月4日には400勝投手の金田正一氏を相手に打席に立ち、金田氏の球はバットに当てて遊ゴロを放った。

 04年3月に脳梗塞で倒れてから右半身に麻痺(まひ)が残る中で、左手一本で力強くスイング。当時「もっとしっかり(球を)捉えたかった」と悔しがり、今では右手を添えてバットやゴルフスイングを行うなど、日々トレーニングを欠かさない。名球会イベント初参加となる松井氏との「再戦」も期待される。その松井氏に山本理事長は「ファン以上に我々も期待しています。ホームラン競争にも出てほしいと思っています」と話した。

 57人の会員はほぼ全て参加し、ソフトボール界からはエースの上野由岐子の参加も予定される。今回のイベントは日本野球機構(NPB)、日本ソフトボール協会も協力する。野球の普及とともに、2020年東京五輪の競技復活へとつなげたい思いも重なる。「五輪に向け真剣に考えていることをアピールしたい」と王顧問が話せば、山本理事長も「裾野拡大のきっかけとなり、野球熱の復活につながることを願う」と語った。 (倉橋 憲史)

 ▽名球会 正式名称は日本プロ野球名球会。78年7月24日に野球界の底辺拡大や社会貢献を目的として18人の会員で創設された。野球教室や大会の主催、野球用具の寄贈、チャリティーイベントなどを精力的に行っている。会員は現在57人で、投手が15人、野手が42人。名誉会員(故人)は7人。入会資格は日米(米は大リーグ)通算で「200勝」「250セーブ」「2000安打」のいずれかを達成すること。

 ≪王ダイエー連勝も長嶋巨人4連勝V≫

 ▼2000年ONシリーズVTR 王監督率いるダイエーが敵地・東京ドームでの第1、2戦を連勝発進も、福岡ドームに移ると長嶋巨人が反撃。第3戦を高橋由、松井の一発などで9―3と圧勝すると、第4戦は斎藤雅、岡島の継投で2―1、第5戦は新人・高橋尚が初登板初完封と投手陣が活躍。王手をかけて本拠地に戻った第6戦も9―3と圧勝し、一気に優勝を飾った。長嶋監督にとっては94年以来2度目の日本一。4番で打率.381、3本塁打、8打点の松井がMVPを獲得した。

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