巨人・福田投手が野球賭博関与 夏の甲子園、自軍の試合も対象に

[ 2015年10月5日 16:45 ]

野球賭博に関与していた巨人の福田

 プロ野球巨人の久保博球団社長は5日、東京・大手町の読売新聞本社で記者会見し、福田聡志投手(32)が野球賭博に関与していたと発表した。同僚の笠原将生投手(24)から紹介された知人との間で夏の甲子園大会、巨人の試合を含むプロ野球、米大リーグの試合を対象に賭けをしていた。球団は刑法の賭博罪に当たる疑いがあるとして警察への届け出を検討している。球団は両投手に謹慎処分を科しているが解雇もあり得るとした。

 日本野球機構(NPB)によると、1969年に発覚した八百長行為で現役選手が永久追放処分を科された「黒い霧事件」が起きて以降、野球賭博などの有害行為で処分が下されたことはない。

 下村博文文部科学相は超党派のスポーツ議員連盟が検討を進めてきたスポーツ振興くじ(サッカーくじ)の対象をプロ野球に広げる構想に否定的な見解を示した。

 巨人によると、9月30日に知人から球団に福田投手が貸した金を返さないと接触があり発覚。球団が委嘱した弁護士が調査したところ、税理士法人勤務という男性に8月初旬に誘われ、甲子園大会の複数試合で賭けを行った。負けを取り返そうと9月初旬までプロ野球と大リーグの試合でそれぞれ10試合、賭けをした。巨人の試合は3、4試合で、最終的に百数十万円の損になっていたという。

 福田投手は今季1軍の登板がなく八百長行為はなかったが、球団は野球協約に抵触している疑いが強いとして熊崎勝彦コミッショナーに通報。NPBは5日、調査委員会の初会合を開いた。有害行為と認定されれば、1年間の失格処分か無期の失格処分となる。

 熊崎コミッショナーは東京都内で記者会見し「現時点で反社会的勢力との関わりは報告されていない」と話したが、さらに調査するとした。野球協約で禁止されている野球賭博常習者との関わりについても解明する。

 福田投手は大阪府出身で、和歌山・伊都高から東北福祉大を経て2006年に入団。通算151試合に登板して22勝15敗、防御率4・15。

 ▼ノンフィクション作家長田渚左さんの話 野球賭博なんて既に大昔になくなったものと思っていたので大変驚いた。自分の大切な野球で賭けをしようという心根がさもしい。せっかく誰もが憧れてなりたくてもなれない巨人の選手になったのに、自分で人生に泥を塗ってしまったとしか思えない。情けない。大事にしなきゃいけないものでお金を賭けて借金ということになると言語道断。(スポーツ振興くじのプロ野球への拡大も)やっぱりどうなのかしらという話になる。

 ▼スポーツ評論家玉木正之さんの話 野球界の内部にいる人が手を出せば永久追放になるのは分かっているはずなのに、なぜそんなものに手を出したのかということで驚いた。球団の発表で終わる問題ではない。球界として調査と処分をはっきりしてほしい。今のところは野球賭博に参加したということだけだが、八百長行為に関わっていないのかということも球界は調査した上で、選手とこんな選手をつくったという意味で球団に処分を下してほしい。

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