小笠原、笑顔のフィナーレ…古巣巨人選手も参加の胴上げで5回宙に

[ 2015年9月21日 17:22 ]

<中・巨>両軍の選手に胴上げされる中日・小笠原

セ・リーグ 中日0―4巨人

(9月21日 ナゴヤD)
 古巣・巨人戦を最後に19年間のプロ生活に別れを告げた中日の小笠原道大内野手(41)が、両チームの選手たちによって5回宙に舞った。

 「5番・一塁」で今季2度目の先発出場を果たし、4回に遊撃への内野安打を放って3打数1安打でラストマッチを終了。最後の打席となった7回の第3打席で左翼フライに倒れた後、巨人・高橋由と2人の娘から花束を受け取り、泣きじゃくる愛娘たちとは対照的に笑顔でベンチに下がった。

 試合後のセレモニーは特に予定されていなかった。だが、セ・パ両リーグでMVPに輝いた稀代のバットマンのラストに、中日の選手たちはもちろん、かつて所属した巨人の仲間たちも自然に歩み寄り、マウンド付近で胴上げがスタート。1回、2回…計5回、宙に舞った。

 その後、チームは0―4で敗戦したにもかかわらず、ヒーローインタビューは勝った巨人の選手ではなく、小笠原に譲られた。大きく息をついた後、「…疲れました」と引退試合の感想を笑顔で切り出した小笠原は、両チームの手による胴上げについて「なかなかそういう経験をできる人間はいないと思うので、本当に幸せ者だと思います」とまた笑顔。「負けてしまって、この場はないと思っていたので、この場を設けてくれた中日、巨人両方にお礼を言いたいと思います。ありがとうございます」とかみしめるように振り返った。

 現役最後の安打は遊撃への内野安打。一塁へは小笠原らしく全力で駆け抜けた。「初安打も内野安打だったので、最後も内野安打で自分らしいと思います」。そして、最後の打席は初球を“代名詞”でもあるフルスイングで左翼フライ。「理想はライトスタンドだったんですけど…しっかりとらえられたんですけど、あれがヒットになっていたら足が絡まってコケてアウトになっていたんで、カメ(巨人・亀井)が捕ってくれてホッとしています」と爽やかな表情を浮かべた。

 そして、「昨日、家で“泣くなよ”と言ったんですけどもね。本当に感謝してます。なかなか一緒に過ごす時間がなかった。迷惑をかけた中でサポートしてくれた。この場を借りて本当にありがとうと言いたい」と花束贈呈の時も試合後も泣きじゃくった2人の愛娘に感謝のメッセージ。「本当にありがとう!」とこの日一番の大きな声を張り上げた。

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