原巨人 4強“独り勝ち”1差 超攻撃的オーダーズバリ

[ 2015年9月19日 05:30 ]

<ヤ・巨>5回2死二、三塁、立岡の二塁打で生還した二走・マイコラスを笑顔で迎える原監督

セ・リーグ 巨人6-3ヤクルト

(9月18日 神宮)
 巨人は18日、首位・ヤクルトを6―3で下し、1ゲーム差に迫った。原辰徳監督(57)が1番に長野久義外野手(30)、2番に立岡宗一郎外野手(25)、外野の守備力低下のリスク承知でレスリー・アンダーソン外野手(33)を5番で起用した攻撃的オーダーが的中。5回に立岡が決勝の左翼線2点二塁打を放つなど、3選手が打点を挙げる活躍を見せた。勝負の7連戦で白星スタートを切り、逆転Vへ望みをつなげた。

 優勝の命運を握る7連戦。その初戦に原監督は攻撃的オーダーで挑み、制した。試合後、クラブハウスへ向かう指揮官に三塁側スタンドからは「逆転優勝、信じてるぞ!」と声が飛んだ。

 「非常に大きい(勝利)ですね。(打順は)あまりこだわらずに。(攻撃的にと)そういうことですね」

 オーダー発表で球場がどよめいた。「1番・長野」「2番・立岡」。小川に対し、打率・357の長野を1番、同・636の立岡を起用した。長野の1番は7月4日の中日戦(ナゴヤドーム)以来。立岡の2番は後半戦では初だった。

 これが見事にはまる。同点の5回。2死二、三塁から立岡が、初球のシュートをコンパクトに振り抜き左翼線へ2点二塁打。4回に同点とされた直後で、再び流れを引き寄せる価値ある一打だった。原監督は「2アウトからね。立岡のタイムリーも大きかった」と賛辞を贈った。

 6回には2死から2点を加え、さらに一、二塁から長野の中前打で追加点を奪った。広島からの移動日の16日。原監督が「もう少し“さあ見てみろ”というか、プロ意識というか。そういうものが薄らいでいる」と中軸を打つべき背番号7に苦言を呈していた。根は真面目で責任感は人一倍強い長野。指揮官の起用の意図に応え、3試合ぶりの安打で9月初打点をマークした。

 アンダーソンの左翼での起用にも攻撃的な姿勢は表れていた。この日は立岡を中堅ではなく二塁で起用。外野は左翼からアンダーソン、長野、亀井の並びで守備より攻撃を重視した。「リターンがあればリスクもある。われわれは、リターンというものを考えて勝負しているわけだよな。そうするとやっぱり、マイナスもある」。5連敗中だったヤクルト相手に大胆にオーダーを組み替え「攻撃的に」という明確な意思をナインに伝えた。

 この日はセ4強で唯一勝利。順位は3位のままだが、首位・ヤクルトと1ゲーム差、2位・阪神とゲーム差なしに肉薄した。強気で挑み「独り勝ち」となる勝利をつかみ取った。 (川手 達矢)

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