畠山 V加速弾!虎に1差 20日にもマジック点灯

[ 2015年9月17日 05:30 ]

<ヤ・D>2回1死二、三塁、左越え本塁打の畠山

セ・リーグ ヤクルト9―1DeNA

(9月16日 神宮)
 4番の完璧な一振りにに、左翼の筒香はほとんど打球を追わなかった。1―0の2回、3点を加え、なおも1死一、三塁。ヤクルト・畠山が左越え3ランを放ち、早々と試合を決めた。今季24号。プロ15年目で自己最多となる節目の一発だった。

 「15年目でキャリアハイができたことは満足です。でも、もっと早く抜いておかないといけなかった。ここまで出ないと打てないのかなという思いもあったので…」

 本塁打を量産したシーズン序盤。6月には4戦連発を含む月間8本を記録した。6月30日の時点で19本を放っていたが、夏場に入ると快音は減っていった。それでも「自分の調子を理解した上で、悲観しないで仕事をしていくことが大事」と4番らしく、“ここぞの仕事”を積み重ねた。

 「本塁打への意識は今はない。一度挫折しているから」と振り返るのが、13年の経験だ。60本塁打のプロ野球記録を樹立した4番・バレンティンの後ろを打つことで自分の打撃を見失い、2軍落ちを味わった。本塁打への意識を捨て、シンプルな考えへ変わった。「試合に出るにはコンスタントに結果を残すこと。本塁打か三振より、何かしらの仕事をしないといけない」。チームのための仕事を意識するからこそ、打点にはこだわりを持つ。この日4打点を加え、リーグトップで自己最多の打点を96に伸ばした。勝負強い4番。故障のバレンティンが戻っても、不動の4番は「最後に100打点以上あるように、しっかりやっていきたい」と力を込めた。

 試合前の時点で残り15試合。史上まれに見る大混戦のセ・リーグで、首位を走る選手たちはクラブハウスで「首位にいるから全部勝てばいいという分かりやすい状況。“マジック15”だ」と声をそろえた。2連勝で貯金は今季最多の7。試合のなかった2位・阪神とのゲーム差を1に広げた。

 最短なら20日に優勝マジック8か9が点灯する。畠山はチームの思いを代弁した。「昨年最下位で、誰もヤクルトが優勝するなんて思っていない。負けたところで失うものはない。僕らはチャレンジャー」。最下位からの頂点。その道筋が見えてきた。 (町田 利衣)

 ≪M点灯なら8か9≫ヤクルトが2連勝し、首位の座を堅持。早ければ20日にもヤクルトに優勝へのマジックナンバーが点灯する。同日まで広島が2敗以上を条件にヤクルトが18、19日巨人戦、20日阪神と3連勝、阪神が18、19日DeNA戦に連敗でM8、1勝1敗でもM9が出る。

 ▼ヤクルト・川端(2回1死満塁から走者一掃の中越え三塁打)絶対に1点取っておかないといけない場面。犠飛でもいいと思って打席に入ったが、思ったより打球が伸びてくれた。

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