慶大・谷田 逆転サヨナラ弾 8月死去恩師に捧げる1勝

[ 2015年9月13日 05:30 ]

<立大・慶大>9回無死一、二塁、右越えにサヨナラ3ランを放った谷田(中央)は藤枝(右)に抱きつかれる

東京六大学野球第1週第1日 慶大7―5立大

(9月12日 神宮)
 秋季リーグ戦が開幕し、1回戦2試合が行われた。慶大は今秋ドラフト1位候補に挙がる谷田成吾外野手(4年)が逆転サヨナラ3ランを放つなど、2安打4打点の活躍で立大を7―5で下した。連覇を狙う早大は東大を4―2で破り先勝。重信慎之介外野手(4年)が決勝2ランをマークした。

 打った瞬間に確信した。4―5の9回無死一、二塁。慶大の4番・谷田がスライダーを捉えた。右手を高々と突き上げながら、右翼席で弾んだ打球を目で追った。

 「(感触は)完璧。うれしかった。(サヨナラ弾は)公式戦は初めて」

 1年時からレギュラーを張ってきた「高橋由伸2世」。今春リーグ戦では41打数6安打、打率・146と壁にぶつかった。7月の夏季ユニバーシアードを前にフォーム改造に乗り出した。「一からつくり直した」と、まずは力まずにバットを構えた。打席での始動を早め、球をじっくり見ることを意識するなど、タイミングの取り方も工夫を凝らした。8月のオープン戦では打率4割を超えた。打球が上がらなかったことが気掛かりだったが、大久保秀昭監督から「自然と上がっていくから」と声をかけられ、気持ちは楽になった。

 「夏は一番充実して練習ができた」と、筋力トレーニングも欠かさなかった。体重は春から2キロ増の89キロに。パワーアップした体から現役トップの通算11号を放ち、チームは4点差をひっくり返した。指揮官は「我慢と思っていたが、出来過ぎ」と選手たちの底力に驚いていた。

 今年8月には前監督の竹内秀夫氏(享年60)が亡くなった。「いろいろな方に助けていただいたので、恩返しをしたいと思って臨んでいる」と谷田。大学ラストシーズンは、感謝の思いを胸にプレーする。 (川島 毅洋)

 ▼立大・笠松(4回にリーグ戦1号の左越え2ランを放つなど2安打5打点)下級生だけど引っ張ろうと思ってやってきた結果。明日に向けてしっかり切り替えたい。

 ◆谷田 成吾(やだ・せいご)1993年(平5)5月25日、埼玉県生まれの22歳。小1から川口リトルで野球を始める。川口北中1年時に世界大会準優勝。東練馬シニア2年時に全国大会4強。慶応では1年春から4番に座り通算76本塁打も甲子園出場はなし。アジアAAA選手権では日本代表の一員として優勝に貢献。慶大では1年春にリーグ戦デビューし3年春にベストナイン。1メートル83、89キロ。右投げ左打ち。

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