95年オリ平井抜いた!松井裕 高卒2年目最多28セーブ

[ 2015年9月10日 05:30 ]

<楽・ロ>お立ち台でクラッチーナ(左)とクラッチ(右)にハグされる松井裕

パ・リーグ 楽天4-2ロッテ

(9月9日 コボスタ宮城)
 ピンチを迎えても慌てない。楽天・松井裕は2点リードの9回2死一、二塁で荻野を空振り三振で仕留めると、雄叫びを上げた。今季28セーブ目。高卒2年目では95年の平井正史(オリックス)を抜き、最多となった。

 「いつも通りの仕事をやるだけ。毎回9回を抑えただけで、ここに上がってすみません」。守護神の風格が漂う。試合後のお立ち台では1万4105人の観衆から笑いを誘う余裕すらあった。

 セーブ数を積み重ねる中でも進化を求める。今月に入り、新球カットボールを投げ始めた。この日も先頭・クルーズへの8球目、外角低めに139キロを投げ込んだ。三遊間への内野安打となったが、高浜の2球目にも投じた。「相手が意識すれば投球の幅も広がる」。則本のスライダーの握りを参考に練習を重ねた。

 松井裕はスライダー、チェンジアップと空振りが取れるウイニングショットを持っているが、いずれも縦に落ちる球種。「第4の球種」挑戦の意図を、吉田投手コーチは「高低はあるけど、横の変化がなかったから」と説明する。相手打者はスライダーとチェンジアップを警戒し、追い込まれないように初球から手を出してくる傾向がある。そこで直球に近く、わずかに変化するカットボールでバットの芯を外し、打ち損じを狙うのだ。

 「苦しいから球種を増やすのでなく、打者が手を付けられないように、こっちから手を打つ」。新たな武器を手に入れた19歳。目標の30セーブも見えてきた。(徳原 麗奈)

 ▼オリックス・平井正史2軍投手コーチ 松井くんは立派。クローザーは大変だけど、記録は抜かれるためにあるので、敵だけどぜひ頑張ってほしい。

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