ゴメス“ドローン騒動”反省 山脇コーチ「鳥かと思った」

[ 2015年9月3日 09:00 ]

<神・広>試合前の練習中、ドローンを飛ばすゴメス

セ・リーグ 阪神1-5広島

(9月2日 甲子園)
 ゴメスさん、飛ばすモノが違いませんか?首位・阪神は2日、広島に逆転負けを喫し、3連敗。巨人に勝った2位・ヤクルトにゲーム差なしに迫られた。マウロ・ゴメス内野手(30)はこの日、甲子園での試合前の練習中に小型無人機「ドローン」を飛行させチームに混乱を招いたとして、球団から厳重注意を受けた。お騒がせの助っ人は4打数無安打3三振。ドローンは飛ばしても肝心の試合ではボールを飛ばせなかった。

 午後3時前だった。ゴメスはチームが練習中のグラウンドで、外野上空を中心に約10分間、ドローンを飛ばした。選手らが見上げてざわつく中、バックスクリーン付近で一度着地させた後、再び飛ばした。最後は右翼フェンスに激突して墜落した。外野にいて、頭上で飛んでいるのに気づいた平田ヘッドコーチは「何かブーンと音がしていたし、ビックリした」と振り返り、山脇外野守備走塁コーチは「鳥かと思ったわ」と目を丸くした。

 開門前で観客はまだおらず、ケガ人もいなかった。対戦相手の広島も球場入りする前。とはいえ、おふざけが過ぎる行動だった。しかも、日本ではドローンをめぐる騒動が相次いでいる。球団はチームに混乱を招いたとしてゴメスに厳重注意し、峯本達雄球団本部チーム運営1軍は「悪気はなかったとはいえ、(甲子園の)周りは住宅地。世の中でいろんな形で問題になっている中、しかも練習中にとんでもないこと」と説明した。

 ゴメスは球団に謝罪。大木一仁通訳は「本人は反省していますので」と話し、本人はコメントしなかった。せめて試合で名誉挽回といきたいところだったが、バットはことごとく空を切った。広島のエース前田健に手も足も出ず、4打数無安打。3度の空振り三振を喫し、打球が飛んだのは6回の中飛だけだった。5回にダメ押しの3ランを放った相手の4番・エルドレッドとは対照的な姿。空高く飛ばしたドローンとも対照的で、ボールを飛ばせなかった。ふがいない4番は、試合中に山脇コーチからデコピンを受ける場面もあった。

 ▼ドローン 無人での飛行が可能な航空機の総称。英語で「雄のハチ(=drone)」を意味する。もともとは、第2次世界大戦中に偵察や空爆などの軍事用に開発されたが、最近では衛星利用測位システム(GPS)を使い、搭載カメラで簡単に動画撮影を楽しむことができる。高性能化とともに小型化、低価格化が進み、数千円で購入が可能。

続きを表示

この記事のフォト

2015年9月3日のニュース