西武・森67日ぶり一発が初満弾!ゴジラ以来の高卒2年目通算20号

[ 2015年9月2日 05:30 ]

<西・ソ>6回2死満塁、67日ぶりとなる右越え満塁本塁打を放った森

パ・リーグ 西武13-3ソフトバンク

(9月1日 西武プリンス)
 やっと出た。西武の森友哉捕手(20)が1日、ソフトバンク戦の6回に自身初の満塁本塁打を放った。6月26日の日本ハム戦以来、67日ぶりの14号はプロ入りから通算20号。高卒2年目での到達は、1965年のドラフト制以降では94年の松井秀喜(巨人)以来21年ぶり3人目となった。ロッテとのCS進出争いの中で2戦連続の2桁となる13得点で3位を死守。20歳のスラッガーが長い不振から抜けだし、チームを勢いづけた。

 ベンチに戻っても、自然と笑みがこぼれてくる。プロ2年目で初の満塁本塁打が、6月26日の日本ハム戦(西武プリンス)以来、実に67日、170打席ぶりのアーチ。苦しみ抜いた森は、お立ち台で本音を漏らした。

 「なかなかホームランが出なくて悔しい思いがありました。チームに貢献できなかったので、打てたのがうれしい」

 8―1で迎えた6回2死満塁。巽が内角に投じたスライダーを豪快に引っ張った。右翼席上段に達する14号のグランドスラムは通算20号。高卒2年目での到達は、94年の巨人・松井秀喜以来となった。当時、森はまだ生まれていない。それでも少年時代に「凄いバッターだと思っていました」と振り返る、同じ左の強打者に肩を並べた。

 初出場した球宴後から打撃不振に陥った。8月5日の楽天戦(コボスタ宮城)から3試合、故障以外では初めて先発から外れた。プロ入り後初めて味わう本格的なスランプに、こだわってきた「フルスイング」を一度は、捨てた。「フルスイングは自分の持ち味ですけど、一発狙いの大振りになってしまっている。状態が良くなるまではコンパクトに振ろうと思うんです」。バットを指1本短く持ち、ミート重視の打撃で復調を目指した。

 5回の第3打席は短く持ち、中前打を放った。そして6回の第4打席。チームが7点をリードする押せ押せムードが、森を後押しした。「原点というか、自分はずっと長く持ってやってきた。フルスイングも大事だ」。自らに言い聞かせた。バットを根元まで持ち、初球を思い切り振った。2回の第1打席では中飛に倒れたが、「センターに強い当たりが打てた。あれがあってこそのホームラン」と振り返った。

 復活弾。それも「(小さい頃から)あまり記憶にない」という満塁本塁打で飾り、田辺監督も「打撃の強弱を、少し気付いてくれた」と目を細めた。森にとって8月8日に20歳になってから初の本塁打でもあった。激しいCS進出争いをする4位・ロッテとのゲーム差を1に広げ「これで(自分も)乗っていけたらいいしチームも勝ち続ければいい」と力強く言った。(神田 佑)

 ≪21年ぶり10人目≫森(西)が自身初の満塁弾。今季14号となり、通算では20号に達した。高卒2年目までに通算20本塁打以上を放った打者は、93、94年の松井(巨)以来21年ぶり10人目(チーム5人目)。ドラフト制以降では86、87年の清原(西)、前記松井に次ぎ3人目の快挙になった。また、西武の満塁本塁打は前日楽天戦のメヒアに続き今季8本目。チームのシーズン最多満塁本塁打は80年の9本となっており、球団タイ記録に王手をかけた。なお、プロ野球記録は50年・中日の12本、パ記録は90年オリックスの11本。

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