バース氏 阪神V再現3カ条 日本一85年と同じ1差3チーム

[ 2015年8月31日 11:15 ]

チビッ子ファンとハイタッチするバース氏

セ・リーグ 阪神8-11ヤクルト

(8月30日 甲子園)
 阪神は30日、ヤクルト戦(甲子園)で8―11で敗れ2連敗。2位ヤクルトと勝った3位巨人に1差に迫られた。この日は2年連続3冠王に輝くなど史上最強助っ人として1985年の日本一にも大きく貢献したランディ・バース氏(61)が、自身プロデュースのビーフジャーキーPRのため兵庫県尼崎市のコストコ尼崎店を訪問。今季が85年と酷似することに触れ、10年ぶりのリーグ優勝へ3カ条を示した。

 甲子園球場から約11キロ離れた尼崎の倉庫で、バース氏は猛虎の10年ぶりリーグ優勝を信じ3つの条件を示した。残念ながら、今回は猛虎を応援に行くことが叶わないとのことだったが、27日広島戦と28日ヤクルト戦をテレビ観戦し、力量を確かめたようだ。

 ゴメスを優勝へのキーマンに指名した上で「パワーはあるので右方向へもう少しボールを飛ばすようにしたほうがいいね」と助言した。

 ゴメスは5月6日を最後に打率3割を切ったが、8月に入り上昇気流に乗り14日ヤクルト戦で・294まで上昇。ただ、以降は再び下降線をたどっている。バース氏が指摘するように14日同戦で中越え二塁打したのを最後に、中堅から右方向への長打はない。また、8月の三振数は同戦まで12試合で5だったのが、15日中日戦から30日ヤクルト戦までの13試合では15と急増。力任せに引っ張りにかかっている傾向が顕著に出ている。ただ、この日のヤクルト戦の最終打席で中越えの適時打を放ったことは、明るい材料と言える。

 首位阪神と2位ヤクルト、3位巨人とのゲーム差は1と再び縮まってきた。「85年のペナントレースも混戦だった」と振り返るように8月終了時点で首位は阪神で2位巨人とは0・5差で3位広島とは1差だった。9月以降は、阪神が21勝10敗2分け、巨人が9勝21敗1分け、広島が16勝17敗1分けと突き放した形になった。その理由を「自分たちはリラックスできていた」と過度な重圧を感じる雰囲気ではなかったことを強調。「監督やコーチのケアが大事」と首脳陣に注文を出した。

 残り試合は25と少なく感じるが、まだ1カ月は戦いが続く。「道のりは長い。阪神は強いチーム。焦らなければ心配ない」。

 掲げた3つをクリアすれば、85年を再現してのリーグV。そして、日本一も…。レジェンドOBは悲願成就を願っていた。

 ▽85年9月以降の阪神 8月31日時点で首位の阪神は2位・巨人と0.5ゲーム差、3位・広島とは1ゲーム差の接戦だったが、9月4日から6連勝の進撃。黒星先行の巨人や、5日からまさかの7連敗と息切れする広島を尻目に11日、大洋に勝って優勝へのマジック22を初点灯させた。その後も連敗は2度のみと着実に勝利を重ね、マジック1で迎えた10月16日の神宮でヤクルトと延長10回5―5の引き分け。64年以来21年ぶりのリーグ優勝を決めた。シーズン2位は7ゲーム差で広島。9月以降阪神は21勝10敗2分けの勝率.677。広島は16勝17敗1分けの勝率.485。巨人は9勝21敗1分け、勝率.300の失速で12ゲーム差の3位に終わった。

 ≪最短マジック点灯は9・5≫ヤクルトに連敗した阪神の優勝マジック最短点灯は9月5日に延びた。この間、阪神が5試合を全勝。広島が阪神3連戦全敗のあとヤクルトに1勝1敗。巨人がヤクルトに1勝1敗、DeNAに2連敗なら、ヤクルトを対象にM17が出る。反対に2位転落は最短で2試合後の9月2日に迫っている。

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