能見また“急変”５回持たず「走者を出したところで粘れなかった」

＜広・神＞５回１死一、二塁で二神（左）にマウンドを譲る能見

セ・リーグ 阪神２－４広島

（8月26日 マツダ）
　２週連続の“急変”だった。先発の能見は初回から７者連続アウトを奪うなど、最高の立ち上がりを見せながら、４回１／３で３失点と５回持たずに降板した。

　「走者を出したところで粘れなかった。四球が多かった。（状態は）１、２回を見てもらったら分かる通り普通だった」

　テンポ良く腕を振っていた左腕に落とし穴が待っていたのは３回だった。１死から石原に高めに浮いたチェンジアップを振り抜かれ、左翼スタンドに先制ソロを被弾。その後の２死一、三塁のピンチでは踏ん張ったものの、狂った歯車は元に戻らなかった。

　４回も先頭打者への四球も絡んで１死一、三塁とされると田中に中前適時打を浴びて追加点を献上。５回１死一、三塁から鈴木に左前に運ばれ３点目を失ったところでベンチからタオルが投げ入れられた。３回、一塁走者として大和の右前打で三塁へ窮屈な形でスライディングし、投球への影響が心配されたが中西投手コーチは「足とかをひねっていたら投げさせていない」と否定した。

　“悪夢”を振り払うことはできなかった。前回１９日の巨人戦（東京ドーム）も４回まで無安打投球と快投を披露しながら、５回につかまって４回１／３を６失点でＫＯ。２年ぶりの２ケタ勝利に王手をかけてから２試合連続で５回持たず、１１敗目を喫してしまった。

　登板前の時点で今季広島から４勝（１敗）をマーク。マツダスタジアムに限れば、通算１１勝４敗、防御率１・５９と抜群の相性を誇っていた相手に意地を見せられた。今後も、重点的に広島戦で起用されていくことが濃厚なだけに、一抹の不安を残す投球となった。（遠藤　礼）