山田、止まらん5戦6発!驚異の打棒でヤクルト5割復帰

[ 2015年8月26日 05:30 ]

<ヤ・巨>4回2死一塁、左越え2ランを放つヤクルト・山田

セ・リーグ ヤクルト5―2巨人

(8月25日 神宮)
 ヤクルトが25日の巨人戦に勝ち、勝率を5割に戻した。山田哲人内野手(23)がここ5試合で6本目の本塁打となる32号2ランを放つなど、序盤4回で5得点。3年ぶりに中4日で先発した石川雅規投手(35)は8回途中まで2失点と踏ん張り、8勝目を挙げた。上位の阪神、巨人を追うチームを、山田が3冠王&トリプルスリーのダブル達成が現実味を帯びる驚異の働きでけん引する。

 大事な試合で期待に応える。これぞスターの証だ。巨人、阪神、また巨人と続く真夏の8番勝負の第1ラウンド。満員の神宮を魅了したのは、やはり山田だった。

 「絶対勝つという強い気持ちを持っていた」

 思いはバットに乗り移り、3―0の4回2死一塁から田原誠のスライダーを左翼席へ運んだ。ここ5戦で6発。リーグトップの32本塁打は、2位の同僚・畠山に10差がついた。14試合連続安打とし、リーグ2位の打点は、トップの畠山に4差に迫る81。26盗塁は2位のDeNA・梶谷に4差をつける。長打量産に「あまり打ちたくないっす。走れないから」と笑うが、打撃部門で上位をほしいままにする。巨人戦の本塁打が今季まだ2本というのが意外なほどだ。

 「予告」の一発だった。オフだった24日、アドバイザリー契約を結ぶ寝具メーカー「マニフレックス」社の山根崇裕社長と夕食をともにした。昨季から、山根社長と食事した翌日にはなぜか本塁打が出る。「パワーをもらってきました。きょうも打っちゃうかもよ」。試合前、ちゃめっ気たっぷりに宣言した通り、これで6度目にして6本目。今季初めて観戦に訪れた両親と姉への「家族孝行」も果たした。

 試合前、ミーティングで真中監督は「大事な戦いになるが、一人一人で背負うことなく戦おう。失うものはない」とナインに訴えた。2~4番の川端、山田、畠山が計15打席で12出塁と好機をつくり、石川が好投。投打がガッチリかみ合って勝率を5割に戻した。

 「この8試合で決まってしまうかもしれない。きょうみたいな試合を続けていけば優勝もあるので、そこを目指していきたい」と山田。2位の巨人に1ゲーム差に迫り、4差で首位阪神の背中が見える。挑戦者らしく、必死に食らいついていく。(町田 利衣)

 ▼ヤクルト・杉村打撃コーチ(山田の本塁打について)甘い球はあれしかなかった。見逃さない集中力も含めて素晴らしいの一言。

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