“満塁の鬼”鳥谷で堅首 今季7の5 5月には熱弁でナイン鼓舞

[ 2015年8月23日 05:30 ]

<神・D>4回2死満塁、鳥谷が勝ち越しの2点二塁打を放ち激走する

セ・リーグ 阪神7-2DeNA

(8月22日 京セラD)
 阪神・鳥谷敬内野手(34)が22日、DeNA戦(京セラドーム)の4回2死満塁から右越えに決勝の2点二塁打を放つなど3安打3打点の活躍で勝利に導いた。今季、満塁では7打数5安打の打率・714、12打点と抜群の勝負強さを誇る。巨人に3連敗し漂った嫌なムードを完全払拭する2連勝。長期ロード(全21試合予定)も11勝目を挙げ3年連続の勝ち越しを決めた。2位巨人が敗れ、ゲーム差は1・5に広がった。

 「満塁の鬼」が真価を遺憾なく発揮した。1―1で迎えた4回2死。塁上をすべて埋め尽くす、その光景が鳥谷にとっては心地よかった。三嶋の初球内角ストレートに対し、迷いなくバットを振り抜くと、打球は右翼・梶谷の頭上を越えた。

 「チャンスだったので初球から思い切っていった。次の1点を取ることが大事だと思っていたので、打てて良かった」

 先発岩崎を勇気づける2点二塁打だった。自身は「たまたまです」と謙そんするが、今季の満塁機は10打席で7打数5安打。プロ12年での通算でも133打数55安打の打率・414、2本塁打、126打点と抜群の強さ。三嶋に対してはこの日を含め24打数12安打で、満塁では3打数3安打。文字通り「カモ」にしており、データの上でも納得の決勝適時打だった。

 勝利に導くという意味では、初回の中前打も大きかった。1番に復帰した7月12日巨人戦以来、鳥谷が初回に安打を記録した試合は、これで9連勝。今季のトータルでも16勝5敗で・762の高勝率を誇る。

 極めつきは3点リードの8回2死一塁だった。長田のシュートをとらえ右中間を深々と破るダメ押しの適時三塁打。本塁打があればサイクル安打という猛打で7月26日DeNA戦以来、今季7度目の猛打賞をマークした。

 8日から首位をキープするが、シーズン序盤は苦しんだ。5月8日からは甲子園で広島戦3連敗で借金は5。首位DeNAとは6差の最下位に沈んでいた。3タテを食らった試合後。首脳陣を含む緊急ミーティングが開催されると、鳥谷はナインに訴えかけた。

 「このままでは今年も勝てない。全員ができることを一つ一つ、きっちりとやっていこう」

 熱弁は5分にも及んだという。主将の熱い口調にナインは奮起し、同13日のヤクルト戦から3連勝。優勝という大きな目標に向かって全員が足元を見つめ直すことができたからこそ、今がある。

 「良い時も悪い時もあるけど、今は状態が良い。目の前の一戦一戦を大切に、明日(23日)も取れるよう頑張ります」

 18日からの巨人戦で3連敗したが、完全に復調したと言っていい。4試合を残し、早々と長期ロードの勝ち越しも決めた。この勢いで、きょうも六甲おろしの大合唱だ!(森田 尚忠)

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