怪物が怪童語る…清原氏独占激白!清宮は「僕を超える」

[ 2015年8月22日 11:00 ]

早実・清宮について語る清原氏

清原氏インタビュー1

 怪物だからこそ分かることがある。強豪・PL学園の4番を1年夏から務めて、5季連続で甲子園出場を果たした清原和博氏(48)。プロでも西武、巨人などで通算525本塁打を放ったアーチストの目に、高校野球100年で出現した“怪童”早実・清宮幸太郎(1年)はどう映ったのか。自らが持つ甲子園最多の13本塁打を超える可能性に言及するなど、自らの経験を交えてスポニチ本紙に激白した。

 清原氏は32年前のあの夏と清宮を重ね合わせ、静かに話を始めた。

 「僕は1年夏の甲子園の時に神経性胃腸炎になった。もし負けて、自分がチャンスで打てなくて、3年生にとって最後の戦いで負けたら、というプレッシャーもあった。無我夢中でほとんど覚えていない。僕の場合、PL学園で1年生で4番とエース(桑田真澄)が出たことで注目されただけ。だから、清宮君みたいに打撃で注目されベーブ・ルースに比較されることもなかった」

 清原氏の甲子園の初アーチは6戦目、決勝の横浜商戦だった。1年夏は打率・304、1本塁打、5打点。清宮はこの夏、打率・474、2本塁打、8打点だった。

 「清宮君の方が全然力が上ですよ。ショートの頭上に合わせるようなバッティングはなかった。僕はフルスイングするだけだった。構えた時点から柔軟性を感じる。インタビューの受け答えも素晴らしい。僕は1年生の時にろくなことをしゃべることができなかった。昨年秋にグラウンドで会ったことがある。物おじを全くしなかった。足も31センチと大きい。素晴らしいですね」

 1年で全国制覇。清原、桑田のKKコンビは全国的なスターになった。だからこそ期待を背負う今後へ思いを巡らせた。

 「これからが大変。全国の投手が彼を的にしてくる。僕も強く感じた。その中で相手を力でねじ伏せないといけなかった。高校1年生ですから。肩に重い荷物を載せてあげたくない。ただ、自分の打撃だけを磨くことに集中してもらいたい。全日本の4番だとか、プロ野球界を背負うなどと考える必要はない。僕も高校の3年間だけが純粋に野球ができたと感じている。この3年を大事にしてもらいたい」

 2年、3年と年を追うごとにすごみを増した清原氏。仲間の存在の重要性も説いた。

 「僕は桑田という大きな存在があった。孤独感というのは一切感じなかった。実際、後ろ(5番)に打撃のいい桑田がいて、僕と勝負しなければならない。恵まれたと思う。松井秀喜選手は、後ろに桑田のような打者がいないから5打席連続敬遠だった。清宮君も、もう1人、切磋琢磨(せっさたくま)できる選手が出てくれば、もっと大きく育っていくと思う」

 自らの持つ甲子園記録の13本塁打を超えることは可能だと言い切る。

 「甲子園に出なければ1本も打てない。その場に立たないと始まらないですが、5回全て出られたら13本を超えられると思います。15歳から(来年の)16歳は、全然違う。1年で2本打てたのだから、抜かれるでしょう」

 底知れぬポテンシャルを持っている清宮の出現、自らの記録を超える選手の登場を心から喜んでいるようだった。

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