粘投&決勝弾の小笠原を抱擁した門馬監督「ずぅーっと抱きしめていたかった」

[ 2015年8月20日 16:20 ]

<仙台育英・東海大相模>9回無死、勝ち越し本塁打を放った小笠原(右)を熱い抱擁で迎える東海大相模・門馬監督

第97回全国高校野球選手権大会決勝 東海大相模10―6仙台育英

(8月20日 甲子園)
 激しい打ち合いを制し、45年ぶり2度目の優勝。1999年から母校を率いてきた東海大相模(神奈川)の門馬敬治監督(45)は「ありがとうございます。最高です」と感極まった表情で優勝監督としての第一声を発した。

 4点リードを3回に1点差まで詰め寄られ、4回に2点を取って突き放したと思ったら6回に追いつかれるという目まぐるしい展開。6―6で迎えた9回、先頭打者として打席に入った左腕エースの小笠原慎之介(3年)が、相手の右腕エース・佐藤世那(3年)から右翼スタンドに叩きこむ決勝アーチを放ち、一気にこの回4点を取って勝負を決めた。

 甲子園に歓声と悲鳴、どよめきが交錯する会心の一撃。ダイヤモンドを一周してベンチに戻って来た小笠原を力いっぱい抱きしめた門馬監督は「粘り強く投げてくれた結果が、あの打席で執念の一打となって、ああいう結果を出してくれたんだと思います」と振り返り、「ずぅーっと抱きしめていたかった」と感慨に浸った。

 第1回大会が行われてから100年という節目の大会。昨年5月29日には、東海大相模野球部の礎を築いた恩師で、巨人・原辰徳監督の父でもある原貢氏(享年78歳)が亡くなった。その原貢氏が育成功労賞を受賞し、大会10日目の15日には代理として原監督が授賞式に出席。東海大相模としても節目の大会で頂点に立った門馬監督は、その恩師以来となる45年ぶりの優勝に「原貢監督にこれで本当にいい報告ができると思っています」と遠くを見つめ、言葉をつむいだ。

 母校を率いて2000年と11年のセンバツを制覇。だが、夏は10年の決勝で興南(沖縄)に1―13で敗れ、昨年は初戦(2回戦)敗退。監督として3度目の出場でようやく頂点に立った。「最後までしつこく、諦めずに、粘り強く、負けから立ち上がってここまできてくれた。もう感謝の一言です。ありがとうと言いたいです」と選手に感謝した門馬監督。その姿が今は亡き恩師にだぶって見えた。

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