雄星 東北魂7勝「あしたはボールが手に付かないかも」

[ 2015年8月20日 05:30 ]

<西・楽>6回1失点で今季7勝目を挙げた菊池

パ・リーグ 西武6-1楽天

(8月19日 西武D)
 左手でグラブを叩き、ガッツポーズ。西武・菊池はマウンドで高校時代のように吠えた。

 「あそこで終わると思ったので、気合を入れた。残っている力を全て出しました」。4―1の6回2死二、三塁。代打・岩崎に152キロ直球を投げ込んだ。2者連続で空振り三振。ピンチを脱し、全身で喜んだ。110球の球数が考慮され、6回1失点で7勝目。毎回の10三振を奪った。

 直球は最速153キロから140キロまで球速に変化をつけた。「強弱をつけながら。場面に応じてできないと、全部全力だと(プロでは)キツイ」と大人の投球を披露。スライダーの曲がりを小さくする工夫も見せ、バットの芯を外した。

 この日、甲子園の3回戦で母校・花巻東(岩手)に勝利した仙台育英(宮城)が、決勝進出を決めた。菊池が育った東北勢の甲子園制覇は、春夏通じて一度もない。7日のオフを利用して、母校の試合を甲子園のスタンドから観戦した左腕は3年時の09年センバツで準優勝に終わり、悔し涙を流した。「僕も3年間目指してきた。(同じ東北の)仙台育英さんには親近感がある。ぜひ(優勝を)目指してほしい」とエール。「(決勝戦の)あしたはボールが手に付かないかも。練習どころじゃない」と興奮気味に話し、笑みを浮かべた。

 チームは3連勝で、3位・ロッテに1・5ゲーム差に迫った。お立ち台では「何を言っているか分からなくなりました。頑張ります!」と絶叫し、観客を爆笑させた24歳。大人の投球を見せたが、少年のようなあどけない姿も見せた。(神田 佑)

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