大嶺祐、安定感生む時短投法 “心理的主導権”握り無失点

[ 2015年8月17日 06:31 ]

<オ・ロ>6回1/3を無失点で6勝目の大嶺祐

パ・リーグ ロッテ5-0オリックス

(8月16日 京セラD)
 ロッテ・大嶺祐はとにかくテンポが速い。捕手・田村からボールが戻ってくると、走者がいない場面ではほぼ同じ間隔で投球モーションに入る。5回、先頭・原拓に対しては、1球目を投げ終えてからの間隔が8.8秒→8.5秒→6.5秒で、結果は空振り三振。この試合は平均8秒前後だった。一方、オリックス先発の吉田一は、5回2死で左越え本塁打された清田の場面を計測すると、2球目から12.9秒→18.0秒→25.0秒(直前がファウル)。試合を通して、大嶺祐の倍近い15~16秒を使っていた。

 「とにかくテンポ良く、自分の間合いで投げるイメージです」と大嶺祐は話す。落合投手コーチは日頃から「テンポ良く投げろ」と口酸っぱく言っており、春季キャンプでは投手陣に1分間に5球を投げる練習も課していた。捕手の田村は「投手陣の中で一番テンポが良い。打者が追い込まれるのを嫌がって早打ちになる」と証言する。テンポの良さは野手にも影響する。清田は「守りにリズムが出ていい流れで攻撃に入れる。打者の立場でも、テンポの速い投手は嫌。心理的に主導権を握られるので」と話す。

 6回1/3を投げて4安打無失点で、9年目にして自己最多となる6勝目。おっとりとした性格とは真逆の「時短投法」で先発陣の柱になりつつある。(重光 晋太郎)

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2015年8月17日のニュース