岩崎、6回1失点で今季2勝目 3度の2軍落ちから逆襲開始

[ 2015年8月17日 06:30 ]

<ヤ・神>6回1失点と力投した岩崎

セ・リーグ 阪神6-1ヤクルト

(8月16日 神宮)
 巨大な壁にも真っ正面からぶつかった。阪神の先発・岩崎が、リーグ屈指の破壊力を誇るヤクルト打線相手に6回1失点の力投。先発5番手の座を手中に収める、価値ある今季2勝目をつかんだ。

 「前回同様、1イニングずつという気持ちで投げた。最少失点でいけたのは良かったと思う」

 序盤は制球に苦しみながら、捕手・藤井のカーブなど緩急を使った巧みなリードでピンチをしのいだ。勝ち越しに成功した直後の6回は先頭の山田に左翼へ二塁打を浴びた。今季、打線が3巡目となる6、7回につかまることが多かったが、踏ん張りどころで進化を見せた。中軸の畠山、雄平、大引を打ち取って、無失点。野球の神様が試すように与えた試練を乗り越えて見せた。

 頼む、雨よ降ってくれ-。開幕から不振に陥り、2軍暮らしが続いていた6月。気付けば、天に向かって“雨乞い”をしていたという。

 「雨が降って1軍の試合が中止になれば、シーズン終盤に追加されますよね? そうなれば、後半戦に試合が増えて、自分にもチャンスが多くあるかもしれないと思ったので。勝手な考えなんですけど、絶対に後半戦へ向けて状態を上げないといけないと思っていた」

 今季は左肩の不調もあって開幕から結果が伴わず、3度も2軍落ちを験した。1軍のマウンドから遠ざかり始めると「昨年、よく90イニングも投げたと思いますよね。今の自分の状態を考えても、信じられない」と5勝をマークし、光輝いたルーキーイヤーの1年が“幻”のように感じられた。雨を望んだのも、すべてはチームの勝利に貢献したい一心。1軍マウンドを心から渇望していた。

 不振から抜けだし、目指してきた「場所」 でようやく本領を発揮し始めた。初勝利した前回9日のDeNA戦から2連勝。和田監督も「5番手として回ってくれる」とローテ定着を明言した。

 「今日は今日で、また次頑張りたい。僕たちみたいな5、6番手が勝てばチームの状態も良くなっていくと思う」

 遅れた分を取り戻すにはまだ時間はある。背番号67の逆襲が始まった。(遠藤 礼)

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2015年8月17日のニュース