“守備の人”阪神・坂 今季初打点がV打 お立ち台は「試合より緊張」

[ 2015年8月13日 05:30 ]

<神・中>決勝打を放った坂はお立ち台からスタンドのファンに帽子を振る

セ・リーグ 阪神3-1中日

(8月12日 京セラD)
 京セラドームの一塁スタンド席から「坂コール」が鳴りやまない。久しぶりのお立ち台。阪神・坂は「やっぱり気持ちいいですね。試合より緊張している」と笑った。チームを4連勝に導いたのは、伏兵が放った今季4本目の安打だった。

 中日の先発バルデスを攻略できず1―1のまま8回も簡単に2死を取られた。ここで1番・鳥谷が右中間二塁打で出塁。2番には、守備から途中出場した坂が入っていた。2ボール2ストライクと追い込まれた8球目。外角の直球を見逃さなかった。鋭い打球は前進守備の中堅手の左を破る決勝の適時三塁打。「粘った中でタイミングが取れました。鳥さんがつないでくれた後で打てて良かった」。これが今季初打点。続く福留の右翼線二塁打で貴重な3点目のホームを踏んだ。

 プロ12年目を迎えた坂の一打に、和田監督も「いつも守備固めが中心だけど、打席が少ない中でよく結果を出してくれた」と称賛した。6回無死一、三塁で、2番・大和に代え、狩野を起用する勝負に出たが、結果は捕邪飛。後続も倒れ、絶好の勝ち越し機を逃していただけに、指揮官にとっては喜びも倍増だった。

 長期ロードは3カード連続勝ち越しとなり、貯金は今季最多の6。本拠地・甲子園では高校球児が熱闘を繰り広げているが、かつては坂もその一人だった。03年決勝、常総学院の3番打者として東北のダルビッシュから2安打し、全国制覇を果たした。場所は京セラドームだが、12年の歳月を経て、8月に再びスポットライトを浴びた。

 ▼阪神・呉昇桓(オ・スンファン)(9回を3人で片付け、日韓通算350セーブに到達)350セーブにこだわりはないけど、久々に3人で終われたことは良かった。

 ◆坂 克彦(さか・かつひこ)1985年(昭60)9月6日、茨城県生まれの29歳。常総学院では3年連続で夏の甲子園出場。3年時は「3番・遊撃」で全国制覇した。03年ドラフト4巡目で近鉄入団。04年オフにオリックスとの合併による分配ドラフトで楽天入りし、06年6月にトレードで阪神へ。13年に自己最多111試合出場。1メートル80、82キロ。右投げ左打ち。

 ≪4位広島とは4ゲーム差≫阪神が4連勝で単独首位の座を堅持。貯金を今季チーム最多の6とした。セの今季最多貯金はDeNAの11だが、阪神の貯金6は昨年終了時の7以来になる。この日は2位ヤクルト、3位巨人がともに勝ったため阪神との差は1・5ゲームのまま。ヤクルト、巨人と4位広島とは4ゲーム差まで開いた。今季AクラスとBクラスが3ゲーム差は4月23日と前日(8月11日)の2度あったが、4ゲーム差に広がったのは初めてだ。

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2015年8月13日のニュース