マー2発被弾で5敗目 狭い本拠地「そういうスパイラルに…」

[ 2015年8月11日 05:30 ]

<ブルージェイズ・ヤンキース>1回1死、ドナルドソンに先制本塁打を浴びる田中

ア・リーグ ヤンキース0-2ブルージェイズ

(8月9日 ニューヨーク)
 ヤンキースの田中将大投手(26)は9日(日本時間10日)、ブルージェイズ戦に先発し、6回を3安打2失点ながら、打線の援護がなく5敗目(8勝)を喫した。クオリティースタート(6回以上、自責点3以内)で先発の責務は果たしたが、痛恨の2本のソロを浴びた。チームは同一カード3連敗を喫し、対戦相手で8連勝となった同地区2位のブ軍に1・5ゲーム差まで迫られた。

 無援に泣き、一発に泣いた。エースは潔く、敗戦の責任を背負った。

 「非常に大事なカードだった。点を取られなければ負けない。取られた僕の責任ではあります」と田中は口を結んだ。

 わずか被安打3本。うち2本がソロだった。1発目は初回、シュート回転した94マイル(約151キロ)の直球で、2発目は4回のツーシーム。いずれも速球系が真ん中へ入り「コントロールミス。こっちでは僕の真っすぐは並なので。いかに制球ミスを少なくするか、そこしかない」。2発を除けば得点圏に走者も置かない危なげない投球だっただけに失投が際立った。

 後半戦は5戦8被弾。全て両翼が96メートル前後と狭く、本塁打の出やすいヤンキースタジアムで浴びた。全てソロで打たれた8本中7本が速球系だ。

 「この球場ですし、直球を投げないのも無理な話。投げればホームランを打たれるという報道や、自分自身意識するところもある。そういう(負の)スパイラルになっている部分はあると思う」。本塁打を警戒した投球では球数が増え、長いイニングを投げ抜くことは困難。走者を背負った場面は別だが、それ以外では最悪ソロならと割り切り、積極的にストライクゾーンで勝負していく投球が試合をつくる近道なのも事実だ。しかも4月23日以来、今季2度目の中4日のため、首脳陣の判断で80球で交代。無四球で6回まで投げた。

 「自分の中ではまだいけるという気持ちだった。監督がシーズンをトータルで見て、あそこで代えたと思う」。同一カード3連敗で、7月28日には8ゲーム差あった2位・ブ軍に、1・5ゲーム差に迫られた。来週末も敵地で3連戦が組まれ、田中の次戦も中5日で15日(日本時間16日)ブ軍戦が有力。エースの真価が問われる試合が続く。(後藤 茂樹)

 ▼ヤ軍ジョー・ジラルディ監督 久々の中4日だったから、80球で交代させた。6回2失点は十分すぎる結果だし、いい投球だった。

 ≪プロワースト18被弾≫田中は今季16試合目の登板で被本塁打は18。前回登板で昨季の15本(20試合)を上回る16被本塁打となっていた。プロ入り後のシーズン最多被本塁打は楽天時代でプロ1年目となる07年の17本だったが、この日の2被弾でプロワーストを更新。今季メジャー最多被本塁打はヒューズ(ツインズ)で28本。次いでケンドリック(ロッキーズ)が26本、ローシュ(ブルワーズ)サンチェス(タイガース)が25本で続き、田中は18位タイ。

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