秋田商・成田翔16K完投 “石川2世”1メートル68左腕魅せた

[ 2015年8月11日 05:30 ]

<秋田商・龍谷>9回2死、勝利を決めた秋田商・成田翔はガッツポーズ

第97回全国高校野球選手権第5日・2回戦  秋田商3-1龍谷

(8月10日 甲子園)
 最後も3者三振で締めた。1メートル68の小兵左腕、秋田商の成田翔(かける)が直球とスライダーの2球種だけで16三振を奪った。

 「三振の数より、ピンチ(6回1死一、二塁)で三振を取れなかったのが課題です」

 初回も3者三振で4回までに9三振を奪ったが、中盤以降は直球を狙われた。それでも「それで打たれたら、そこまでの投手」。帽子のひさしの裏に「負けん気」と記す左腕はギアを上げて8、9回で5三振を数えた。

 成田翔のキャリアハイは、昨秋の地区予選2回戦で記録した19奪三振。昨年12月には右手首の骨折が判明したが、雪上を長靴で30分間走×3を毎日こなし、下半身が強化されたことで球の切れが増したという。この日も最速は初回の142キロながら抜群の切れだった。

 幼稚園から小6まではヒップホップダンスに明け暮れた。憧れの投手は同校OBで身長がほぼ同じヤクルト・石川雅規。縦に落ちるスライダーに加え、右方向へ滑る横スラを習得したのも先輩の影響だ。その石川と97年夏にバッテリーを組んで甲子園に出場した太田直監督は「球威、体の強さでは当時の石川より上」と期待を寄せた。(東山 貴実)

 ▼ヤクルト・石川(97年度卒)凄くいい試合だった。成田君は想像以上に切れのある球を投げていた。三振をあれだけ取るのはなかなか難しい。初戦突破の勢いに乗って頑張ってほしい。

 ≪桐光・松井以来≫秋田商・成田翔が龍谷戦で16奪三振。夏の16奪三振以上は、12年に桐光学園・松井が2度記録して以来。なお97年の秋田商・石川は、浜田戦で7奪三振だった。

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