阪神・藤浪 マー君以来高卒3年目で30勝 “修正力”7回2失点10K

[ 2015年8月9日 05:30 ]

<D・神>呉昇桓(右)からウイニングボールを受けとる藤浪

セ・リーグ 阪神5-2DeNA

(8月8日 横浜)
 阪神を7月31日以来の首位に押し上げたのは、藤浪の「修正能力」だった。ハーラートップタイの9勝目を挙げた右腕は「チームが勝つことが一番。苦しいところで粘れたのは良かった」と息をついた。

 初回、1点の先制をもらいながら、その裏2死二塁から筒香、ロペスに連続適時打を浴び、逆転を許した。右足に体重が乗り切らず、フォームがかみ合わない。最大の武器である直球が制球できず、痛打を浴びた。

 「初回に点を取ってもらった後だったので、ビシッと行きたかったが、点を取られた。グラブの位置とか、いろいろ修正しようと試みた」

 2回以降、セットポジション時のグラブ位置を変えた。それでも、本来の直球を取り戻せない。3回も連打と死球で2死満塁とされた。ただ、ここでも崩れなかった。

 今度は組み立てを変えた。「カウントが取れる球がなくて…。鶴岡さんがうまくカットを使って、リードしてくれました」。150キロ超の直球を見せ球にし、直球の次に自信を持つカットボールを軸とした。4回からの4イニングはわずか1安打で、7回を2失点。球団では04年の井川慶以来となるシーズン7度目の2桁となる10三振を奪ったが、そのうち7個がカットボールだった。和田監督も「悪いなりに何とか抑えられるレベルになっている」と称えた。

 高卒3年目で通算30勝にも到達した。09年の楽天・田中将大以来、ドラフト制以降では10人目の快挙となった。球団では68年に2年目で到達した江夏豊以来、2人目。松坂大輔、ダルビッシュ有ら日本球界を代表する投手たちがクリアしてきた領域に、藤浪も足を踏み入れた。だが、個人成績は二の次。「胸を張って“勝ちました”という試合がもっと増えていけば。これから大事な時期なので、しっかり頑張りたい」。藤浪の視界の先には「優勝」の2文字しか存在しない。 (惟任 貴信)

 ▽藤浪と甲子園(大阪桐蔭=12春夏)3年時にエースとして史上7校目の春夏連覇に導く。春は1回戦で花巻東・大谷に投げ勝つ。夏は準決勝と決勝で連続完封。通算9試合で8完投、防御率1・07。春夏とも最速153キロを計測した。

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