阪神“崩程式”で3連敗 好調安藤が…長期ロードは黒星発進

[ 2015年8月5日 05:50 ]

<広・神>7回、安藤(右)は逆転を許し降板を告げられロジンを投げ捨てる

セ・リーグ 阪神5―6広島

(8月4日 マツダ)
 阪神が4日、広島に痛恨の逆転負けを喫した。5―4と勝ち越した直後の7回に好調のセットアッパーの安藤を投入したが、4安打に失策も絡み2点を献上。打線は難敵・黒田を攻略しながら、勝利の方程式を守れなかった。8月は白星なしの3連敗。夏の長期ロードも黒星スタートとなった。

 期待が大きかった分、落胆も大きかった。5―4と勝ち越した直後の7回。ベンチは満を持して、安藤を投入した。福原、呉昇桓(オスンファン)へとつなぐ、勝利へのシナリオは完成に向かいつつあった。だが、その代わりばな、1番・菊池が初球を中前打。和田監督が悔いたのは、そのワンシーンだった。

 「広島の打線は状態が良いから、慎重に入れれば良かったんだけどね。入りが簡単にいきすぎたのはあった」

 不運も重なる。続く丸の二塁内野安打では、処理した上本が間に合わない一塁へ悪送球。無死一、三塁と傷口を広げると、ロサリオの中前適時打であっさりと追いつかれた。なおも1死一、三塁から、野間に二塁への適時内野安打。完全に打ち取った当たりだったが、思わぬ形で逆転を許してしまった。

 勝ちパターンに持ち込んだはずだった。今季の阪神は典型的な先行逃げ切り。この日のように7回以降の相手の攻撃を3イニング零封すれば勝てるという状況下では、開幕からの過去95試合で30勝3敗の勝率・909を誇っていた。まさに、勝利の方程式。だからこそ、指揮官は安藤を責めようとはしなかった。

 「(6失点の)取られ方がなあ。点を取った後にすべて取られている」

 7月以降、安藤が2日のヤクルト戦までに登板した11試合13イニングでわずか1失点。安定感は抜群だった。そんな好調右腕が攻略されたのは、指揮官が指摘した流れの悪さと無関係ではないだろう。2回に4安打を集中して、過去3戦2敗の黒田から3点を先制。試合の主導権を握るはずが、先発岩田が踏ん張れなかった。3回を終了した時点で4―3。取っては取られるという繰り返しで、知らず知らずの間に流れを手放してしまった。

 「長期ロードも負けのスタートとなってしまったけど、(嫌な流れを)今季はずっと辛抱して何度も跳ね返してきた。まだまだ、これから」

 3連敗で貯金は1。チームとしての難局を迎えるたびに、和田監督は同じ言葉を繰り返してきた。混セを抜け出すこともできないが、脱落することもなかった。8月戦線を乗り切るべく、早々に訪れた正念場。今季何度も見せてきた粘り腰は、ここからだ。(森田 尚忠)

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