早実・清宮、松山商「奇跡のバックホーム」矢野さんと感激対面

[ 2015年8月5日 06:05 ]

愛媛朝日テレビの矢野記者(左)から取材を受ける清宮

 第97回全国高校野球選手権大会(6日から15日間、甲子園)に出場する早実(西東京)の清宮幸太郎内野手(1年)が4日、愛媛朝日テレビ記者の矢野勝嗣さん(36)から取材を受けた。96年夏の決勝戦で松山商(愛媛)を優勝に導く「奇跡のバックホーム」を演じた右翼手との初対面に大感激。同じように高校野球の歴史に名を残す活躍を誓った。5日は甲子園で行われる開会式リハーサルに臨む。

 尼崎市内のグラウンドで行った練習後の取材時間。清宮は、1回戦の対戦校・今治西の地元局、愛媛朝日テレビの男性記者からマイクを向けられた。この記者が高校時代に甲子園大会史に残る名場面を演じた当事者とは知るよしもなく、「(今治西は)総合力があるし、粘り強いチームだと思う」などと語った。

 その後、他の報道陣から「今、インタビューしていたのは奇跡のバックホームの矢野さんだよ」と聞かされると「え!ほんとですか?先に言ってくださいよ!」と目を見開いて驚きの表情。清宮にとっては、生まれる3年も前の出来事だが「奇跡のバックホームはもちろん知ってます。ユーチューブで見たことがある。代わってすぐに刺した人ですよね?」と興奮気味だ。日頃から動画サイトで甲子園大会の映像を見ているだけあって、かつてのヒーローとの出会いに感激が湧いた。

 勝敗を決する一瞬に全力を尽くしたプレーが見る者に感動を与え、「奇跡」などの形容詞を帯びて語り継がれる。高校野球は、そうして100年の歴史を重ねてきた。清宮にも、新たに名を刻む資格がある。「チームのために打ったものが結果として歴史に残れば」と力強く口にした。

 矢野さんからは「これだけ注目されても堂々としていて凄い。良い試合をしてほしい」とエールを送られた。練習ではシート打撃に取り組み、右投手4人の継投で勝ち上がってきた今治西の対策を徹底。1年生右腕の服部から2安打した清宮は「好球必打。あとは準備をしっかりやりたい」と本番をにらんだ。(松井 いつき)

 ▽奇跡のバックホーム 96年の第78回大会決勝、松山商―熊本工は3―3で延長戦へ。10回裏、松山商は1死三塁のピンチを招くと満塁策をとり、先発投手で右翼に回っていた新田に代えて背番号9の矢野を守備に入れた。本多の大飛球を捕った矢野は本塁へ約80メートルの遠投。山なりの球は捕手・石丸までダイレクトに届き、三塁からタッチアップした走者・星子を間一髪アウトにした。サヨナラ負けを免れた松山商は11回に3点を勝ち越し、5度目の全国制覇。

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