初の聖地で4スイング!早実・清宮 1発予告「想像もできた」

[ 2015年8月4日 06:41 ]

甲子園の打席に立つ早実・清宮

第97回全国高校野球選手権大会第3日第1試合 早実―今治西

(8月8日 甲子園)
 「和製ベーブ・ルース」がイメトレで予告アーチだ。第97回全国高校野球選手権大会(6日から15日間、甲子園)の組み合わせ抽選会が3日、大阪市のフェスティバルホールで行われ、清宮幸太郎内野手(1年)を擁する早実(西東京)は大会3日目となる8日の第1試合で今治西(愛媛)と対戦することが決まった。清宮は甲子園見学で打席に立ち、本塁打を打つイメージを膨らませた。

 朝焼けに染まる甲子園。高校球児の聖地に初めて足を踏み入れた清宮が打席に立った。マウンドの投手の投球動作に合わせてバットを鋭く振った。4スイング。本塁打を打つイメージはできた。

 「ヒットの延長がホームランになればいい。想像もできた。今まで経験してきた球場の中でも格別。ここで暴れてやるぞという気持ちが増した。期待に沿う活躍したい」

 西東京大会では20打数10安打の打率5割、10打点で5年ぶりの出場に貢献。ただ一発は出なかった。高校通算14本目となるアーチを甲子園で描く。その準備はできた。

 午前4時40分に起床して、午前7時30分から始まった甲子園見学。清宮自身もメンバー入りの可能性があるU―18ワールドカップ(W杯=28日開幕)が日本で初開催されるため、例年よりも開幕が早く、毎年恒例の甲子園練習はない。ボールは使えなくても、想像力豊かな1年生スラッガーは甲子園でイメージトレーニングを繰り返した。

 グラウンドを歩きながら時折ジャンプして外野フェンスの高さを確認。「エア守備」も敢行した。ファーストミットを手にすると、一塁からファウルゾーンを4往復もして距離感をつかんだ。カメラマン席に飛び込むまねまでした。「先輩でカメラ席に飛び込んだ方がいたと聞いたので。そういう打球が来たら、頑張って捕れれば」。その後、尼崎市内のグラウンドで行われた練習ではフリー打撃で47スイングで4発の柵越え。右翼後方にある約7メートルの金網を越える推定115メートルの場外アーチまで放った。

 午後4時からの抽選会にも参加。早実ナインは午後2時すぎに会場入りしていたが、混乱を避けるため、清宮は和泉実監督と別の場所で待機した。抽選開始直前の午後3時50分に会場入りすると、無数のフラッシュがたかれた。他校の選手も怪物1年生を一目見ようと一斉に座席から体を乗り出して見つめた。初戦の相手は今治西。清宮は「常連校で強い印象。でも自分たちの野球をすれば勝てる。甲子園だからというのではなく、今まで通りの野球を貫きたい」と胸を張って言った。

 高校野球100年の節目の大会で、6日の開幕試合ではOBの王貞治氏(ソフトバンク球団会長)が始球式を務める。「人生最大の財産になる。悔いの残らないように全力でプレーしたい」と清宮。甲子園で新たな怪物伝説をつくる。 (松井 いつき)

 ≪夏の甲子園・主な1年生の本塁打≫

 ☆桑田真澄(PL学園=83年)中津工(現中津東)との2回戦で8回に3ラン、投げては3安打完封。池田との準決勝でも2回に水野から大会2本目を放ち、5安打で再び完封した。

 ☆清原和博(PL学園=83年)全6試合で4番に座り、横浜商との決勝で2回に三浦から先制点となる甲子園初本塁打。桑田との1年生コンビで優勝に貢献した。

 ☆沢村幸明(熊本工=96年)松山商との決勝で1点を追う9回、2死走者なしから起死回生の同点本塁打。延長10回の「奇跡のバックホーム」と呼ばれるプレーにつながった。

 ☆中田翔(大阪桐蔭=05年)春日部共栄との1回戦で、同点の7回に決勝点となるソロ。大阪大会準決勝から数えて3試合連発だった。5回途中からはマウンドに上がり、最速146キロをマーク。

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