新・都立の星だ!篠崎、初の4強入り 聖地へあと2勝

[ 2015年7月24日 05:30 ]

<都篠崎・東京実>7回1死二、三塁、東京実・小林の二ゴロで三塁走者・斉藤が本塁を狙うも都篠崎の捕手・鈴木にタッチされアウト

第97回全国高校野球選手権東東京大会準々決勝 都篠崎4―2東京実

(7月23日 神宮)
 第97回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)の地方大会は23日、24大会で80試合が行われ、東東京大会ではノーシードの都篠崎が東京実を4―2で下し、初の4強入りを果たした。03年に夏の甲子園に出場した都雪谷をほうふつさせる「都立旋風」。24日は35大会97試合が行われ、雨天中止で順延となった岩手など4大会と、北北海道の決勝が行われる。

 新・都立の星だ。2番手・山本が、東京実の最後の打者を見逃し三振に仕留めると、都篠崎ナインは喜びを爆発させた。同校史上初、都立勢では09年の雪谷以来6年ぶりの4強。就任6年目の牛久保和哉監督は「100%の力を出してくれた。“8強まで行こう”と言っていたが、そこを超えてくれた」と称えた。

 3回に2点を先制すると、5回には3番・鈴木が中越え適時二塁打を放つなど13安打で4点を奪った。継投策も決まった。先発のエース宮沢は最速125キロの直球に、計測不能のスローボールを織り交ぜる緩急を駆使し、6回2/3を2失点と好投。7回途中からは最速143キロの本格派・山本が無失点で逃げ切った。

 44人の部員のほとんどが地元・江戸川区出身。OBには松坂大輔(ソフトバンク)の弟・恭平さんらがいる。練習は午後4時30分から約2時間半。ナイター練習ができる照明施設がない上、100メートル×60メートルのグラウンドを陸上部やサッカー部と共用している。野球部の練習スペースは内野部分しかない。だが、自身も都日比谷で似た練習環境だった牛久保監督は選手だけのミーティングを課し、対話で団結力を高めた。さらに練習の最後30分を「課題練習」として自由練習に充て、個性を伸ばした。鈴木は「課題練習の時間も使って1日700スイングした成果が出た」と胸を張った。

 これまで昨年の3回戦進出が最高成績だった都篠崎の快進撃。自宅から学校まで自転車で5分の宮沢は毎日30キロのランニングをこなし、地元の人も声を掛けてくれるという。「“都立の星”だと言ってくれる。恥ずかしいけど、うれしい」と照れ笑い。準決勝は私立の強豪・日大豊山と対戦する。03年夏の雪谷以来12年ぶりとなる都立勢の甲子園出場まであと2つ。巻き起こした「都立旋風」を完結させる。(松井 いつき)

 ▽都篠崎 1977年(昭52)創立。全日制普通科の共学校。生徒は男子420人、女子400人の計820人。主な卒業生に女優の小林聡美。所在地は江戸川区東篠崎1の10の1。中山繁校長。

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