富士重工・角田 黒田魂1勝 専大出身ルーキーが大先輩参考に好救援

[ 2015年7月20日 05:30 ]

<富士重工・日本通運>富士重工・角田は最後の打者を打ち取りガッツポーズ

第86回都市対抗野球第2日・1回戦 富士重工6―4日本通運

(7月19日 東京D)
 1回戦3試合が行われ、昨年準優勝の富士重工(太田市)は新人右腕の角田皆斗投手(22)が好救援。専大の先輩でもある広島・黒田博樹投手(40)ばりの熱い投球で、日本通運(さいたま市)の反撃を封じ込めた。継投で逃げ切ったJR東日本東北(仙台市)、JX―ENEOS(横浜市)がそれぞれ2回戦進出。JX―ENEOSは都市対抗通算99勝として、大会史上初の大台に王手をかけた。

 肝っ玉ルーキーが、チームを救った。2番手で登板して4回2/3を2安打無失点。都市対抗初登板初勝利を挙げた角田は「開き直って投げるしかないと思った。気持ちで投げた」と声を弾ませた。

 出番は5回だ。先発のエース小野が突如乱れ、2点差に詰め寄られてなお1死一、三塁の場面で登板した角田は中犠飛による1点で食い止めた。6回1死二、三塁では2球連続でスクイズを仕掛けられたが、外角直球で失敗(ファウル)させて二直、空振り三振でピンチを切り抜けた。終盤3回は無安打投球で切り抜けた堂々の内容に、飯野勝利監督も「心臓の強い子。見ての通りの投げっぷりです」と称えた。

 東都大学リーグの専大では2部ながら昨秋、日大・戸根(巨人)に2試合連続で投げ勝つなど、6勝を挙げてMVPを獲得。青学大との入れ替え戦は3連投で2勝をマーク。1部昇格の立役者となり今春、後輩らの26年ぶりの1部優勝へとつなげた。今予選でも新日鉄住金鹿島、全足利クラブ戦と2日連続でいずれも1点差の場面で救援して計6回1/3を無失点。3年ぶりの第1代表獲得に貢献するなど、数々の修羅場で力を発揮してきた。

 尊敬する投手は専大の先輩、広島・黒田で「マウンドでの堂々とした立ち姿を参考にしている」。男気あふれる投球スタイルだけでなく、右の本格派である投球フォームも先輩をほうふつさせるものがある。

 「優勝して(新人賞にあたる)若獅子賞を獲りたい。(緊張は)1年目なのであまり分からない」。あっけらかんと話す角田が、初の頂点を目指すチームに大きな勢いを与えた。 (東尾 洋樹)

 ◆角田 皆斗(つのだ・みなと)1993年(平5)1月7日生まれ、栃木県出身の22歳。栃木工では甲子園出場経験はなし。専大4年秋に東都2部で6勝を挙げてMVPと最優秀投手賞を獲得。1部昇格にも貢献した。今予選は2試合に登板。計6回1/3で1安打無失点、防御率0・00。1メートル79、82キロ。右投げ右打ち。

 ≪準優勝が過去最高成績≫富士重工は2年連続26度目の出場。初出場は1957年(昭32)の第28回大会で、4度目の出場だった69年、昨年大会の準優勝が過去最高成績。08年に4強、03、07年に8強はあるが、優勝はまだない。

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