高田2年生エース千田 持ち味出せず「経験を秋以降に生かす」

[ 2015年7月13日 05:30 ]

<盛岡中央・高田>3回4失点だった高田の先発・千田

復興へのプレーボール 陸前高田市・高田高校野球部の1年

 先発した高田の2年生エース・千田雄大は「自分の持ち味が出せなかった」と淡々と話した。涙はなかった。ただ、後悔だけが胸を占めた。

 初回、先頭・滝本に2ボール2ストライクから先制弾を被弾。「動揺はなく、むしろ開き直った」と言い切るが、修正ができなかった。3回まで64球。毎回の7安打を許し、4失点(自責3)で交代を告げられると左翼の守備に就いた。

 昨夏は1年生で唯一のベンチ入りを経験。登板こそなかったが、夏独特の緊張感を肌で感じた。新チーム結成後、伊藤監督からエースに任命されて秋、春ともに背番号1を背負い続けた。

 昨年9月には、震災後に交流ができた早大野球部の選手からチェンジアップを習得。コントロールに磨きをかけて臨んだが、エースの務めを果たせなかった。「この経験を秋以降に生かさなければ、うそになる」。初めての夏のマウンドは苦さを残し、心を強くした。

 また、7回から登板した1年生右腕・水野夏樹は、高田東中で県大会優勝を経験。この日は最速134キロを計測し、2回を3安打1失点に抑えた。

 8回1死一、二塁のピンチでマウンドに集まった上級生に「気にするな、笑顔で行こう」と声を掛けられ、後続を空振り三振。「高校野球のマウンドは楽しかった。優しい3年生ともっと野球がしたかったです」と初々しさを見せた。今年の夏は終わった。しかしまた夏は来る。未来は後輩たちに託された。 (金子 しのぶ)

 ▽岩手大会2回戦 (花巻)
高  田
 004 001 010―6
 202 022 01X―9
盛岡中央
 (高)千田、佐々木大、水野―津田、大和田、村上諒
 (盛)鈴木、堀崎―滝本
 [本]滝本(盛)

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2015年7月13日のニュース