岩隈、今季初勝利!トレード市場の目玉、注目度もアップ

[ 2015年7月13日 05:30 ]

<マリナーズ・エンゼルス>ベンチでチームメートに祝福される岩隈(AP)

ア・リーグ マリナーズ5―0エンゼルス

(7月11日 シアトル)
 マリナーズの岩隈久志投手(34)が11日(日本時間12日)、エンゼルス戦に先発して8回を3安打無失点に抑え、今季初勝利を挙げた。メジャー4年目の今季、開幕から不調で右広背筋を痛めて4月に離脱。復帰2戦目、前半戦最後の登板で待望の白星をつかみ、後半戦からの巻き返しを誓った。31日(同8月1日)のウエーバーを経ずにトレードできる期限が迫る中、岩隈はトレード市場の目玉としても注目を集めている。

 初回無死満塁。いきなり訪れた絶体絶命のピンチで、ア・リーグトップタイの26本塁打を誇る4番プホルスを迎えた。岩隈は腹をくくった。

 「あそこで踏み込まれて長打を打たれるのは避けたかった。焦りはしましたけど、強い気持ちで攻めていかないと、と思った」。徹底した内角攻め。初球、内角へのツーシームでファウルを奪うと、2球で追い込んだ。1ボール2ストライクからの4球目、胸元への直球でのけぞらせると、最後は内角低めのスプリットで空振り三振を奪った。後続2人も抑えて、無失点で切り抜けた。

 「あそこから乗っていけた」。6回にはプホルスに並ぶ26本塁打の3番トラウトと5番アイバーに対し、カーブで空振り三振を奪った。これまでにはなかった攻め方で幻惑し「追い込んでから投げないだろうという球を見せたいと思った。それがうまく生きた」とニヤリ。4回2死からは13者連続でアウトを奪い、8回を101球で無失点に抑えた。右広背筋痛から復帰した前回6日タイガース戦でメジャー自己ワーストの4本塁打を浴びたが、復帰2戦目で本領を発揮。ロイド・マクレンドン監督も「球威があり制球も良かった。ようやく彼が戻ってきてくれた」と手放しで褒めた。

 今季終了後にFAとなる岩隈はトレード市場で注目を集めている。現在ア・リーグ西地区で首位と7ゲーム差の4位に沈むマ軍が来季のチームづくりへ移行すれば、上位球団にとっては喉から手が出るほど欲しい投手。この日も、ア・リーグ中地区首位のロイヤルズのスカウトらがネット裏から視察していた。

 後半戦再開となる17日(日本時間18日)からのヤンキース3連戦では楽天時代に同僚だった田中と初めて投げ合う可能性もある。「オールスター前に自分の投球をして、1つ勝てたことが大きい。これで乗っていけると思う」。球宴後、岩隈の動向から目が離せない。

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