7回1死まで完全…西武・岸、1安打完投負けも「つかんだ」

[ 2015年7月11日 05:30 ]

<日・西>8回1安打1失点で敗戦投手となった岸

パ・リーグ 西武0-1日本ハム

(7月10日 札幌D)
 バスに乗り込む前だった。西武・岸は堂々と報道陣の前に立った。1安打完投負け。球団では史上初めての負け方で、もちろん悔しさは残る。だが、それ以上に充実感を漂わせ「(今季)一番良かったですね。(手応えを)つかんだところがあった」と振り返った。

 初回はカーブ、145キロ直球、チェンジアップと3球種を決め球に3者凡退。最高の立ち上がりを見せる。4回1死から、中島の懐を攻め、スライダーで空振り三振。全ての球種が切れ、7回1死まで19者連続で抑える完全投球を見せた。「意識があったというか、いつのまにか(被安打)0だった感じ」。7回1死から四球で初めての走者を出したものの、この回も無安打は続いた。

 昨年5月2日ロッテ戦(QVCマリン)で、史上78人目のノーヒットノーランを達成。自身以来の快挙が見えてきた8回、先頭・近藤に中堅・秋山のグラブの先をかすめるフェンス直撃の二塁打を浴びた。1死三塁にされた後、岡に投前にスクイズを決められ、これが決勝点に。「いいバントだった。上か下か、どっちに外そうか考えたら中途半端になった」という外角高めのスライダーを、一塁線に転がされた。

 「大谷君もいい投球をしていたので、先に点を与えたので負けた」と冷静に振り返った岸。3年連続の開幕投手に指名されながらも、開幕直前に左脇腹炎症で離脱。6月から復帰したが、1勝しかしていなかった。「勝ちたかったけど、(感覚を)忘れないようにやりたい」。0―1で敗れはした。しかし、西武のエースは大谷との投げ合いで自信を取り戻した。(神田 佑)

 ≪チーム初≫岸(西)が被安打1本だけで完投敗戦。1安打で完投負けは昨年5月10日DeNA戦のナーブソン(ヤ)以来。西武が被安打1で敗れたのは西鉄時代の62年6月10日近鉄戦、80年5月13日日本ハム戦に次いで3度目だが、過去2度はいずれも継投。1安打完投負けは岸がチームで初めてだ。

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