DeNA山崎康 球団新人タイ21S 昨季の三上の3カ月前に到達

[ 2015年7月8日 05:30 ]

<広・D>汗を飛び散らせ9回1イニングを抑えた山崎康

セ・リーグ DeNA3-1広島

(7月7日 マツダ)
 DeNA・山崎康晃投手(22)が7日の広島戦で2点リードの9回に登板し、昨季の三上に並ぶ球団新人記録のシーズン21セーブ目を挙げた。チームの失速で出番が激減した守護神。13日ぶりの登板で、気合十分の投球を見せた。本来の勝ちパターンが戻って4連勝中の広島を破ったチームは、連敗を2で止めて4位タイに浮上。首位に立った巨人とは1・5ゲーム差で、再び混セの主役の座をうかがう。
【試合結果】

 飽くなき向上心。勝利の瞬間、マウンドで守護神の表情に笑顔はなかった。9回、山崎康は無死二塁のピンチを無失点で切り抜け、球団新人記録に並ぶ21セーブ目。「自分自身で入り込めるような準備をしたけど、(先頭打者に)打たれたのはきょうの課題。セーブを挙げているのはチームの頑張りのおかげ。最後を任されることに誇りを感じてやってます」とつぶらな目で前を見据えた。

 6月24日の巨人戦(東京ドーム)以来約2週間ぶりの登板。マウンドに飢えていた。前日の全体練習を終えて引き揚げた際、中畑監督に「投げたいだろ?」と尋ねられ、「投げたいです。投げさせてください」と真顔で答えた。この日は先発の久保は8回まで91球と余力が残っていたが、首脳陣から9回を託された。

 得点圏に走者を背負ってから伝家の宝刀・ツーシームで新井を中飛に仕留め、エルドレッド、代打・松山を連続三振。「まだまだ(状態が)100とは言えないが、走者が出た後にアクセルを踏んで抑えられたのは自信になる」と淡々と振り返ったが、4位に浮上した中畑監督は「山崎康で締めて勝ちパターンを復活させたかった。(先頭に)打たれたけど、それ以降は彼本来の投球を見せてくれた」と称えた。

 プロ1年目。未体験の夏場に向けて体調管理にぬかりはない。「できるだけ体力を消耗したくない」と1回のブルペン入りで投げる球数は春先の20球から10球に減らして肩をつくる。休日は酸素カプセルに入る時間をつくり趣味の買い物でリフレッシュ。現状に満足しないのは大きな目標があるからだ。

 今年は母・ベリアさん、姉・麻美さんのために本拠地・横浜スタジアムにシーズンシート2席分を購入。応援してくれる家族が力の源だ。「野球を辞めたいと何度も思ったけど、支えてくれた家族のおかげで今の自分がいる。来年はもっと近くの席で応援してもらいたいんです」。節目の記録も通過点にすぎない。 (平尾 類)

 ≪新人歴代最多セーブは31S≫山崎康(D)が今季21S目をマーク。DeNAでは昨季の三上に並ぶ新人のシーズン最多セーブになった。両者の21S到達時を比較すると
月 日 試 [勝][敗] 防御率
三上 10・7 65 1  4 2・33
山崎  7・7 35 1  2 1・87
 山崎康は3カ月も早く並び、防御率は三上の2点台をしのぐ1点台と抜群の内容だ。なお、新人の歴代最多セーブは90年与田(中)の31Sで、山崎康は5位タイに浮上した。

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