まさに言霊！？作った回文の内容実現「うそ！？工藤独走！？」

＜オ・ソ＞貯金を２０とした工藤監督（中央）らソフトバンクナイン

　記者になる前はコンビで芸人をしていた。ネタは回文（上から読んでも下から読んでも同じ文）を使ったコント。今年のプロ野球開幕前には、回文にイラストを付けてキャンプ地を回る企画をやらせてもらった。

　ソフトバンクの回文は「うそ！？工藤独走！？（うそくどうどくそう）」。工藤新監督が率いるチームは５日現在、７５試合を終えて貯金２０。２位・日本ハムに４・５ゲーム差で首位を独走する。

　「脱・松田（だつまつだ）」もあった。ソフトバンクの本拠・ヤフオクドームに「ホームランテラス」が新設され、一発が出やすくなり、中距離打者のイメージから脱却するのでは…そんな期待を込めたが、その通りになった。「今年から外野フライを狙うようにしたら、低めの球も拾えるようになった」と話す３２歳は、７５試合で２１本塁打を放ち、キャリアハイの２５本（１１年）どころか本塁打王争いをしている。

　「言霊」だろうか。回文の内容は実現する。４月５日のオリックス―日本ハム戦（京セラドーム）。満塁で打席は日本ハム・中田。グランドスラムを確信した。職業病なのか「中田満弾またかな（なかたまんだんまたかな）」が浮かんだからだ。本当にアーチが飛び出した。

　そうなるとパはこのまま鷹が独走するのか。いや決めつけるのは早い。「いや、判断早い（いやはんだんはやい）」。ペナントレースを熱くするため、言霊を信じて「うそ！？工藤独走！？」に対抗する回文を考えてみた。

　「Ｖ宣言！！西武（ぶいせんげんせいぶ）」。「無敗よ！！強いハム（むはいよつよいはむ）」。Ｂクラスの球団にもチャンスはある。優勝争いから一気に転落する可能性も。「２位か１位、下位に（にいかいちいかいに）」。混戦の予感がしてきた。まあ、現実にあり得ない回文もあるが。「白熊黒し（しろくまくろし）」とか…。とにかく、シーズンはまだ半分。勝負はこれからだ。

　◆渡辺　剛太（わたなべ・ごうた）１９８０年（昭５５）１０月２７日、東京都墨田区生まれの３４歳。横浜国大卒。お笑いコンビ「レム色」を５年で解散し、０９年にスポニチ入社。整理部、福島支局を経て、昨年１０月から野球担当の遊軍記者。