大谷「指にかかっていたせい」…今季最速タイ160キロもマメで交代

[ 2015年7月3日 06:00 ]

右手中指を赤くする大谷

パ・リーグ 日本ハム8-4オリックス

(7月2日 札幌D)
 苦い表情を浮かべた日本ハム・大谷の中指は赤く染まっていた。4―1で迎えた7回。1死からT―岡田に今季12試合目の登板で初被弾となる右越えソロを浴び、続くブランコを空振り三振に仕留めた後、ベンチに向かって右手を上げた。一度下がって治療を受けたが、そのまま降板した。

 「6回くらいから(マメが)できていた。(血が)たまっている感じ。もうだいぶ大きくなっていたので、つぶれる前に(降板)と思った」

 この時点では2点リード。しかし、8回2死三塁から3番手・宮西が安達に同点2ランを浴び、両リーグ最速での10勝到達はスルリと逃げた。

 開幕直前の発熱に始まり、2度の足のつり、ひねった右足首に続く、今季5度目のアクシデント。だが、今回は好調がゆえの負傷でもあった。初回にT―岡田に適時打を浴び、あっさりと先制点を与えたが、そこから立ち直った。2回から4イニング連続で3者凡退。6回2死二塁ではギアを上げた。糸井への初球。大型ビジョンに「160キロ」が表示されると札幌ドームが沸いた。今季最速に並ぶ速球で空振りを奪うと、2球目の145キロ高速フォークで一ゴロに仕留め「結構、(指に)かかっていたから、(マメは)そのせいかなと思う」と自分なりに分析した。

 チームはその裏に4点を勝ち越し連勝。6回2/3を2失点で8奪三振の大谷は、奪三振数で今季107として楽天・則本を抜き、勝率、勝利数、防御率と合わせて4冠となった。本人は「勝ちに値する投球ではなかった」と言ったが、栗山監督は「立て直しながら試合をつくったのは大きい。勝たせてやりたかった」と評価した。今月5日は誕生日。2年連続の10勝は21歳最初の登板に持ち越しとなった。(柳原 直之)

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