広島・黒田「日本にいる時から思い入れがあった」G倒に意欲

[ 2015年6月30日 05:30 ]

G倒に意欲を見せた広島・黒田

 上昇ムードの広島は30日から敵地・東京ドームで巨人3連戦。先陣を切る黒田博樹投手(40)がG倒に意欲をみせた。「日本にいる時から思い入れがあった」と言う、昨季のリーグ覇者とは広島復帰後初の対戦。先発部門での球宴ファン投票1位選出に続いて、この日は選手間投票でも選ばれ、勝利に導く快投に感謝の気持ちを込めるつもりだ。

 その勇姿を球宴で見たいと望んだのは、ファンだけではなかった。26日に発表されたファン投票1位に続き、選手が選手を選ぶ「選手間投票」でも堂々の選出。07年までの前回広島在籍時にはなかった制度だけに、黒田は「システムがわからない」と苦笑しつつ、舞台への思いを新たにした。

 「日本のレベルが高いのは(改めて)自分の中で感じていたし、選手に投票してもらったことはすごく嬉しいです」

 ここまで12試合、セ・リーグ4球団、パ・リーグ3球団を相手に先発。進化した黒田と対戦した選手はもちろん、そうでない層からも支持があったことは容易に想像できる。「まだ対戦していない選手もいるし、いろいろな打者と対戦したい」と意欲的に語った。

 感謝の思いを投球に込める舞台は東京ドーム、相手は広島復帰後初対戦となる巨人だ。思い起こせば18年前の97年4月25日、プロ初登板初勝利を完投で飾った思い出の球場、そして相手。現役では山本昌(中)の43勝、川上(同)の24勝、石川(ヤ)の22勝に次ぐ通算20勝(17敗)を誇る。

 「好相性? そういうのは(考え)ない。新しいシーズンなので。しっかりした投球を続けるだけ。東京ドームでもどこでも、低めに集めてゴロを打たせたい。一発で展開が変わることもある。そこは気をつけたい」

 淡々と語るが、広島でエースを張った当時の黒田は巨人に特別な思いを抱いていた。中でも、同学年の松井秀喜とは名勝負を繰り広げた。松井がヤンキースに移籍する02年、9月7日の最後の対決(同)で11球を投げ、見逃し三振に仕留めたシーンは語り草だ。

 「昔からそうだけど、強いチームとやる時は当然そういう気持ち。昨年のリーグ王者ですか? そういうチームに勝っていかないとダメなので」

 G倒への意欲は不変。相手は6月6勝13敗と急激に失速したが、だからこそ1・5ゲーム差を縮め、一気に抜き去るチャンスと言える。「対戦した打者もいるけど、8年経ってるし、お互いイメージは違う。しっかりビデオを見ます」。用意周到。御礼快投に期待が膨らむ。(江尾 卓也)

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