【野村謙ニ郎氏解説】創価大・田中のフォーム理想的 球速以上のキレ

[ 2015年6月30日 10:00 ]

<大学日本代表・NPB選抜>7者連続三振を奪う快投を見せた創価大の田中。圧巻の4回完全投球

 大学3年生だが、今すぐプロに行っても通用する。創価大・田中君のピッチングには驚かされたし、興奮もした。150キロのスピードボールには慣れているはずのプロの打者が真っすぐを待っていて、バットがボールの下を通過する。球速以上の切れ、浮き上がるような質の良い直球を投げていた。

 フォーム的には左足をゆっくりと上げて、フィニッシュに向けて加速していって、リリースの瞬間にピュッと鞭(むち)のように放す。体の回転で自然と腕が出てくるし、テークバックも大きすぎない。普通、速い球を投げようとすると、踏みだした足が落ちる前に力が入って、シュート回転するが、それがない。理想的なフォームといえる。打者にとっては、このゆったりしたフォームと球速のギャップも戸惑う要因の一つだ。聞けば、高校時代は主に外野手だったという。その分、肩の消耗も少ないだろうし、投手としての今後の伸びしろは大きい。

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2015年6月30日のニュース