虎執念ドローで0差! 鳥谷「負けなかったことをプラスに」

[ 2015年6月24日 06:20 ]

<広・神>6時間近い試合が終了。ハイタッチを交わす阪神ナイン

セ・リーグ 阪神6―6広島

(6月23日 長野)
 まさに、執念ドローだ。阪神は23日、長野で広島戦を行い延長12回の末、6―6で引き分けた。試合終了の時点でベンチに残った選手は梅野だけ。投手、野手合わせて24人を使う総力戦だった。首位・巨人が敗れたため、ゲーム差なしの2位。24日こそ勝って、スカッと首位浮上や!

 負けなかった。勝てなくとも、勝ちに等しいドローと評して良いだろう。延長12回2死二塁というサヨナラのピンチを託された島本が、野間を投ゴロに封じた。5時間13分の死闘。和田監督もまた、前向きな言葉で激戦を振り返った。

 「全力を尽くした結果。(追いつかれた9回以降)若いピッチャーがこういう展開で良く投げきってくれたことが非常に大きかった」

 呉昇桓のカードを切ったことで、延長10回からの3イニングを若手投手で乗り切った。4年目・歳内が2回2/3を無失点。最後も5年目の島本が何とか「0」で締めくくった。

 ただ、欲を言えば、開幕10試合終了以降では13年6月12日以来741日ぶりとなる単独首位は、もう目の前まで来ていた。6―5で迎えた9回。満を持して守護神・呉昇桓をマウンドへ送ったが、まさかの展開が待っていた。先頭から連続四死球で無死一、二塁のピンチを招くと、丸に右翼線適時二塁打を浴びてあっさり同点に追いつかれてしまった。その後の無死二、三塁は凌いだものの、痛恨の継投失敗…。ひとたび失った流れを、最後まで取り戻すことはできなかった。

 さかのぼれば、頼れるベテランコンビの失点も痛かった。3―3の7回からは安藤が登板。だが、連打で1死一、三塁とされると、菊池の打席で暴投による勝ち越し点を献上してしまった。

 一度はゴメスの豪快3ランで逆転に成功したものの、福原も踏ん張りきれない。6―4の8回から登板。スンナリと呉昇桓へつなぎたかったが、先頭の新井に左越えソロを食らってしまった。その差は1点。後続こそ3人で封じたが、広島に反撃ムードを与えた。

 セ・リーグは類いまれなる事態へ突入した。首位・巨人がDeNAに敗れたため、5割へと逆戻り。阪神も引き分けとなったため、この時点で貯金を挙げている球団はなくなってしまった。なんと首位・巨人から最下位・広島まで2・5差という大混戦。優勝を狙える半面、一つ間違えば最下位もあり得るスリリングな展開だ。

 2回表の攻撃終了時から34分の降雨による中断もあるドタバタ劇。それでも鳥谷は最後に言った。

 「若いピッチャーが良く投げてくれた。負けなかったことをプラスにしたい」

 24日こそ、堂々と首位に立つ。

 ▽セ・リーグ アグリーメント 第3条(年度優勝球団)
 (1)レギュラーシーズン勝率第1位の球団を年度優勝球団とする。
 (2)勝率第1位の球団が2球団以上となった場合は、そのなかで最も勝利数の多い球団を年度優勝球団とする。

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