部員1人で臨む最初で最後の夏…大洗の3年桧山、連合チームに感謝

[ 2015年6月24日 09:06 ]

連合チーム「石岡湊大洗」の(左から)那珂湊の関主将、石岡商の金田主将、大洗の唯一の部員・桧山主将

 第97回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)の茨城大会の組み合わせが23日、決まった。野球部員1人の大洗は石岡商、那珂湊と連合チームを結成。桧山健一内野手(3年)は最初で最後の夏の大会に出場する。また、岩手、埼玉、宮崎大会の抽選も行われた。20日に組み合わせが決まっていた東、西東京大会は日時、球場などが決定した。

 たった1人でも頑張ってきた。努力の成果を見せられる初めての夏がやってくる。桧山は「出場できて本当にうれしい。悔いの残らないように全力でプレーしたい」。感無量の面持ちで、抽選結果を見つめた。

 3度目の正直だった。桧山の入学時、大洗の野球部には3年生2人が在籍。ただ、他校との連合はかなわず、部員3人で夏の大会出場を諦めた。3年生の卒業で一人っきりになった昨年。春と秋は連合で地区大会に出場したが、夏は連合相手が見つからず再び出場を断念した。最上級生となった今春も公式戦に出場できなかった。

 「勧誘したけど、なかなか新入生が入って来なくて…寂しかった」

 それでも、心の支えはあった。ノッカーや打撃投手を務めてくれた、大川裕之監督と滝崇部長。「先生たちがいたから、やめようとは思わなかった」。最後の夏にグラウンドに立つことを信じ、練習を続けた。

 大川監督は「なんとか出してあげたかった。桧山には“俺たちも手を尽くすから諦めるな”と言ったんです」と振り返る。待ちに待った朗報は、5月だった。

 部員6人の石岡商から連合の打診を受けると、同8人の那珂湊も加わって夏の出場が決まった。「言葉にならないくらいうれしかった」。今月から石岡商のグラウンドで合同練習を開始。チームでLINEのグループをつくり、連絡を取り合って打ち解けた。プレーの連係も深まりつつある。練習試合では一塁を守り、3番や5番を任された。感謝を胸に、仲間とともに戦う夏。初戦は7月5日、鬼怒商戦だ。

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2015年6月24日のニュース