阪神貧打解消へ 臨時打撃コーチにラミレス氏招へい検討

[ 2015年6月15日 06:30 ]

ゲッツのポーズを披露するラミレス

 レジェンドに不振打開を託す!? 阪神が、ヤクルト、巨人、DeNAで活躍したアレックス・ラミレス氏(40=現群馬シニアディレクター)に臨時打撃コーチへの就任要請を検討していることが14日、分かった。同氏は、外国人選手ではプロ野球初となる2000安打を達成した強打者。同じ中南米出身で右打ちのマウロ・ゴメス内野手(30)の再生を期待している。

 パ・リーグ最下位のオリックスに3戦でわずか2得点に抑え込まれて3連敗を喫した阪神。チーム打率、得点、本塁打数などは12球団ワーストで、貧打解消の秘策を温めていることが判明した。ラミレス氏を今季途中に臨時打撃コーチとして招へいする仰天プラン。球団幹部が明かした。

 「ウチの打線で、特にゴメスは凡退の形がいつも同じ。私はラミレス氏に(打撃を)教えてもらってはどうか、と思っています。2人はタイプとしても、似ていると思いますから。技術だけでなく、配球の読みなども聞けたらと思います。もちろんオマリー打撃コーチ補佐には、配慮する必要がありますけどね」

 まだラミレス氏との交渉には入っていないものの、球団内では「打撃コーチ招へい案」が検討され、待望論が高まってきている。ヤクルト、巨人、DeNAの3球団で日本通算2017安打を放ち、380本塁打した屈指の強打者。その成功の秘訣は技術だけではなく、変化球が多く、ボール球を打たせる日本投手の配球に巧みに対応できたからだ。外国人史上初の2000安打を達成したレジェンド。その卓越した技術と理論を、猛虎打線に吸収させたい。

 球団としては特に、4番であるゴメスの再生に大きな期待を寄せる。同じ右打ちの中長距離ヒッター。そして同じ外国人同士、コミュニケーションもはかりやすいはず。同幹部も「ゴメスは打ち損じが多い。ファウルを打って追い込まれて、最後は外の変化球に空振り。工夫して練習はしているみたいですが、なかなか…。そこをラミレス氏に教えてもらえれば」と見通しを立てる。左のオマリー打撃コーチ補佐と二人三脚で攻撃力アップに尽力してもらえないかというわけだ。

 ラミレス氏は現在、都内を拠点に活動中。SDを務めるBCリーグ群馬の練習にも定期的に足を運んでいる。同氏に近い関係者によると、NPB球団で指導者になる願望を持っていると伝わる。阪神が今回オファーを出せば、好意的に受け止めてくれることは想像に難くない。

 阪神球団は現時点では、本人の立場、都合なども考慮して、球宴休み期間中(7月16日~19日)の臨時打撃コーチとしてオファーを出す構えで話をまとめている。「実現しても、ずっと同行というわけにいかないでしょうから、まずは球宴期間中とかがいいと思いますけど」と球団幹部。残り80試合。まだ間に合う。ただ、手をこまねいている暇はない。

 ◆アレックス・ラミレス 1974年10月3日、ベネズエラ生まれの40歳。インディアンス、パイレーツを経て01年にヤクルトに入団。03年には本塁打、打点の2冠、07年には右打者初のシーズン200安打を記録した。08年に巨人へ移籍。同年のリーグV、翌年の日本一の原動力となり2年連続MVPに輝いた。12、13年はDeNAでプレー。実働13年で2017安打、380本塁打、1272打点の打率・301。他の獲得タイトルは首位打者1度、最多安打3度など。14年に打撃コーチ兼任でBCリーグ・群馬に入団。オフの現役引退後は同球団シニアディレクター。1メートル80、100キロ(現役時)。右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2015年6月15日のニュース