イチロー 最年長対決より燃えた?「151キロくらいなら俺も出る」

[ 2015年6月13日 05:30 ]

<マーリンズ・ロッキーズ>8回、代打で左翼線へ安打を放つイチロー(AP)

ナ・リーグ マーリンズ6―0ロッキーズ

(6月11日 マイアミ)
 マーリンズのイチロー外野手(41)が11日(日本時間12日)、最年長対決を制した。ロッキーズ戦の8回、先頭で代打出場し、現役最年長のラトロイ・ホーキンス投手(42)と対戦。野手最年長のイチローが左翼線へ安打を放ち、メジャー通算2881安打で歴代単独39位となった。年長対決には特に興味を示さなかったが、42歳でも最速94マイル(約151キロ)の速球を投げる姿に、意外な刺激を受けていた。

 イチローが、代打登場では5月24日のオリオールズ戦以来となる快音を響かせた。ホーキンスの2球目、外角92マイル(約148キロ)を捉えて左翼線へ安打。この日故障者リストから復帰した72年12月生まれの現役最年長選手を、最年長野手が鮮やかに打ち砕いた。

 「もういいよ、そんなのは」。ホーキンスとは、08年5月以来7年ぶりの対戦。年長対決への感慨は特になく、苦笑いしながら足早に帰路に就こうとした。ただ、ホーキンスがその後、最速94マイルの速球だけを続けてピンチを脱したことへの感想を求められると「42歳で94マイル。すげーな~と思うね」。意外な導火線に火が付いた。「ま、94くらい俺も出ると思うけどね」とニヤけつつ、目は真剣そのものだった。

 1月29日の入団会見。第4の外野手という立場について問われ、「5番目ではつらいかもしれないけど。それに僕はピッチャーもできますからね」と語った。キャンプではキャッチボールの最後に受け手を座らせ、直球、ツーシーム、カーブ、スライダー、チェンジアップを投げ込み肩をつくってきた。開幕後も練習の合間に投球練習を挟むことは忘れない。22歳だったオリックス時代の96年オールスター第2戦では、9回2死から松井秀(巨人)に対し登板。最速145キロをマークした投球練習の間に対戦相手は代打・高津(ヤクルト)に変更されたが、遊ゴロに打ち取った。

 代打安打でメジャー通算2881安打。フランキー・フリッシュを抜き歴代単独39位に浮上し、歴史を塗り替えていく日々が続く。延長戦が無制限で、投手が尽きての野手登板がたまに見られる大リーグ。イチローが夢として胸に秘める「投手デビュー」の快記録…もしかしたら、だ。

 ≪日本最年長選手は山本昌(中)と中嶋(日)≫イチローは今季、73年5月生まれの42歳コローン(メッツ)とも対戦し9打数2安打。間もなく40歳となるハドソン(ジャイアンツ)からも1安打している。近年の大リーグの年長対決では07年6月15日に43歳の投手クレメンス(ヤンキース)VS47歳の野手フランコ(メッツ)があり、クレメンスが3打数無安打に抑えた。日本プロ野球の今季最年長選手は投手が山本昌(中)の49歳10カ月、野手は中嶋(日)の46歳2カ月。今季実現した40代の投打対決は40歳黒田(広)VS41歳小笠原(中)、42歳西口(西)VS40歳高橋由(巨)、40歳レイ(楽)VS40歳井口(ロ)がある。

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