捕手で首悪化…巨人・阿部 復帰後は再び一塁起用中心か

[ 2015年6月8日 05:30 ]

<巨・ソ>登録を抹消された阿部は試合前に球場を後にする

交流戦 巨人2-5ソフトバンク

(6月7日 東京D)
 巨人の阿部慎之助内野手(36)が7日、首の痛みのため出場選手登録を外れた。前日6日のソフトバンク戦(東京ドーム)で試合途中から捕手に就き、ファウルチップがマスクに当たり、昨季から万全ではなかった首の状態が悪化。全治までの期間は不明で、最短10日で復帰できるかは極めて微妙な状況だ。阿部は4月の左太腿肉離れに続き、今季2度目の離脱。精神的な支柱でもある阿部をまたも失ったチームはソフトバンクに同一カード3連敗を喫し、今後の戦いにも暗雲が垂れ込めた。

 試合開始直前。ロッカールームから駐車場へつながる通路に阿部が出てきた。無数のフラッシュを浴びながら、待ち受ける大勢の報道陣の前に立ち止まり、神妙な面持ちで口を開いた。

 「あんまりいい状態ではないので。こういう(抹消という)結果になってしまい、チームに迷惑をかけて申し訳ない。2軍で療養して、リハビリして、万全の状態で戻れるようにしたい」

 阿部は昨季から首痛に悩まされてきた。今季も交流戦初戦の5月26日の西武戦(郡山)で痛みが増し、6月2日のオリックス戦(東京ドーム)から前日のソフトバンク戦までは5試合連続でベンチスタートとなった。決定打となるアクシデントは前日の9回に捕手の守備中に起きた。ファウルチップがマスクを直撃して、たまらず苦悶(くもん)の表情を浮かべた阿部。トレーナーが状態を確認し、そのまま出場を続けたが、一夜明けても首の痛みは治まらず「ファウルチップが、ちょっとダメージが大きかった」と話した。

 この日はグラウンドに一度も姿を現さず、治療に専念。原監督と話し合いの時間も持った。「コンディションを整えさせるために、ちょっと時間を与えます。いると使いたくなるし、存在としては大きいわけだから」と指揮官。前日のファウルチップが首へ与えた影響については「それもまた、悪い方向に行ったということ」とした。

 首痛がスイングや打席での集中力に影響した昨季は打率・248、19本塁打、57打点。今季は打棒復活に比重を置き、プロ15年目で初めての内野手登録となり、一塁手に転向した。ところが2年目の小林が伸び悩み、FAで獲得した相川も開幕直後に故障離脱し、阿部は自ら申し出て捕手に再転向していた。だが、4月中旬に左太腿肉離れで約1カ月、離脱。首脳陣は阿部の体調には十分に配慮しながら休養を与えて起用してきたが、今後もマスクをかぶるとなれば首へのリスクは避けられない。復帰後の負担を軽減する上でも、再び一塁の守備が中心となる可能性もある。

 首の痛みは個人差が大きく全治は不明。再登録は17日以降となるが、慢性的な症状のため最短10日で復帰できるかは極めて微妙な状況だ。打線がわずか4安打に抑えられたチームはこの日、東京ドームでのレギュラーシーズンでは2年ぶりとなる同一カード3連敗を喫した。精神的支柱の阿部が不在という逆風の中での戦いを、今後も強いられることになる。

 ≪阿部の今季≫

 ▼4月3日 相川が右大腿二頭筋を肉離れ。阿部は開幕から一塁を守っていたが阪神戦(東京ドーム)で捕手復帰。

 ▼同17日 阪神戦(甲子園)の初回に、適時二塁打を放った際の走塁中に左太腿裏を痛めて途中交代。緊急帰京する。

 ▼同18日 都内で検査を受け「左大腿二頭筋の肉離れ」と診断。出場選手登録を抹消される。

 ▼5月13日 1軍復帰し広島戦(東京ドーム)に「5番・捕手」で先発出場。4打数無安打。

 ▼同19日 阪神戦(甲子園)でチーム43試合目にして今季初アーチ。

 ▼6月2日 オリックス戦(東京ドーム)を体調不良で欠場。

 ▼同7日 首痛のため出場選手登録を抹消される。

続きを表示

この記事のフォト

2015年6月8日のニュース