楽天「日系4世ルーキー」フェルナンド、プロ初安打が代打弾!

[ 2015年6月4日 06:53 ]

<ヤ・楽>9回無死、1号ソロを放ちナインに出迎えられるフェルナンド(左)

交流戦 楽天5―3ヤクルト

(6月3日 神宮)
 ありったけの力で振った。4―2の9回無死、代打で登場した楽天・フェルナンドは初球からフルスイングしてファウル。そして1ボール1ストライクからの3球目。木谷の高め141キロのシュートを詰まりながら力で左中間席に運んだ。

 「最高です。思い切って振りました。気持ち良かったです」。プロ初安打初本塁打は、球団のルーキーでは史上初だ。

 白鴎大からドラフト4位で入団。両親はブラジル人で、父方の曽祖母が日本人という日系4世だ。5歳の時に父の仕事の関係でブラジルから日本に移住。幼少期は当たり前のようにサッカーボールを蹴る毎日だったが、小学4年の時にバットを振ってみたら「誰よりも遠くに飛ばせた」。そのパワーが最大の魅力だ。

 2日に1軍昇格し、即「7番・左翼」で初の先発出場を果たしたが2打数無安打で、この日はスタメン落ち。「悔しさはあった。チャンスがもらえたら、初球から振っていこうと思った」と積極性だけは失わなかった。

 目標とする選手は、13年にプロ野球記録のシーズン60本塁打をマークしたヤクルトのバレンティン。3月中旬、イースタン・リーグで対戦する機会があった。母国語のポルトガル語だけでなく、日本語、英語、スペイン語も操るルーキーはアドバイスを求め「考え込むな。フルスイングしろ」と約40分間、熱く打撃理論を交わした。その師匠のホームグラウンドでプロ1号。記念のボールは「親がブラジルから帰ってきたら、渡したい」。楽天に異色の新星が誕生した。

 ▼ルシアノ・フェルナンド 1992年4月13日、ブラジルのマトグロソドスル州生まれの23歳。5歳の時に日本に移住。群馬県太田市立宝泉南小4年から「宝南スピリット」で野球を始める。桐生第一では甲子園出場なし。高校通算22本塁打。白鴎大では1年春からレギュラーとなり関甲新学生リーグでは4年春に本塁打、打点の2冠、ベストナインを獲得。1メートル75、79キロ。右投げ右打ち。

 ▼楽天・美馬(5回2失点で今季初勝利)調子が良かったので飛ばしたが、意外とバテた。僕が投げる時は中継ぎ陣をつぎ込んでいるので、少しでも長い回を投げたい。

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